久保城 (三河国)

久保城（くぼじょう）

久保城は、愛知県岡崎市石原町に存在した中世の日本の城郭、具体的には山城です。この城に関する歴史的記録は限られていますが、額田町史などの資料からその概要を知ることができます。

築城と城主

額田町史によれば、久保城が築かれたのは1530年代のことです。初代城主として記録されているのは、奥平貞昌（おくだいらさだまさ）という武将です。当時、奥平貞昌は松平清康（まつだいらきよやす）に仕えていました。

松平清康は、徳川家康の祖父にあたる人物であり、三河地方（現在の愛知県東部）における徳川氏の勢力拡大に大きく貢献しました。奥平氏は、清康に従属することで、この地域における地位を確立しようとしたと考えられます。

久保城の特徴

久保城は山城であり、自然の地形を活かして築かれた防御施設であったと考えられます。具体的な縄張り（城の配置）や構造については、詳細な記録や発掘調査の結果が少ないため、不明な点が多いです。しかし、山城としての基本的な特徴、例えば、尾根や斜面を利用した曲輪（くるわ：平坦なスペース）、堀切（ほりきり：尾根を断ち切る溝）、土塁（どるい：土を盛り上げた壁）などが設けられていたと推測できます。

奥平氏と久保城

奥平氏は、戦国時代から江戸時代にかけて活躍した武家です。奥平貞昌以降も、奥平氏は徳川氏に仕え、重要な役割を果たしました。久保城が奥平氏の本拠地としてどの程度の期間使用されたかは不明ですが、奥平氏の初期の拠点の一つであったと考えられます。

現在の状況

久保城跡は、現在では城郭としての遺構はほとんど残っていません。しかし、城跡周辺の地形や地名などから、かつてここに城があったことを偲ぶことができます。また、城跡からは周辺の景色を一望でき、往時の様子を想像することができます。

関連項目

日本の城一覧
奥平氏
岡崎市
額田町

久保城は、戦国時代の三河地方における勢力争いの一端を示す城郭の一つです。その歴史的背景や城主であった奥平氏の動向を知ることで、より深く理解することができます。

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