久保尚志

久保 尚志

久保 尚志（くぼ たかし、1977年5月27日 - ）は、日本の元社会人野球選手です。主に内野手としてプレーし、右投左打の打者として活躍しました。香川県観音寺市出身。身長178cm、体重78kg。

経歴

少年期から中学まで

小学4年生の頃、地元の少年ソフトボールチーム「大野原グランパス」に入団し、全国大会への出場も経験しています。大野原中学校で野球を始めると、1年生ながらエース投手と4番打者を任され、チームの中心選手として頭角を現しました。

高校時代

橋野純監督に誘われ、香川県立観音寺中央高等学校へ進学。当初は投手を目指していましたが、チーム事情により一時捕手に転向。しかし、2年生の夏に再び投手に戻ると、その才能が開花しました。夏の県予選、秋季四国地区大会でベスト4進出に貢献するなど、主力投手として活躍しました。

3年生になった1995年春、チームは第67回選抜高等学校野球大会に初出場を果たします。久保氏はエースとして全試合に先発登板し、快進撃の原動力となりました。特に、後にプロ野球で活躍する森野将彦選手を擁する東海大相模高校との2回戦、そして名門・銚子商業高校との決勝戦では、いずれも相手打線を完封するという圧巻の投球を見せ、チームを大会初出場初優勝へと導きました。この時の活躍は、今なお多くの野球ファンの間で語り草となっています。同年夏には第77回全国高等学校野球選手権大会にも出場しましたが、残念ながら2回戦で日大藤沢高校にサヨナラ負けを喫しました。夏の大会後には、高校野球日本代表に選出され、国際舞台も経験しました。

大学時代

高校卒業後、中央大学へ進学。大学でも当初は投手を務めていましたが、3年生の時に打者としての才能を見出され、内野手への転向を決断しました。4年生時にはクリーンアップの一角として打線を牽引し、チームの東京六大学野球リーグにおける20シーズンぶりの1部昇格に大きく貢献しました。大学時代のチームメイトには、プロに進んだ花田真人氏（同期）や、阿部慎之助氏（1学年下）らがいます。

社会人時代

大学卒業後、社会人野球の強豪である鷺宮製作所に入社し、硬式野球部に入部しました。1年目から主力選手として活躍し、その年の東京都野球連盟新人賞を受賞するなど、すぐに頭角を現します。社会人野球界を代表する強打者の一人として、長年にわたりチームを牽引しました。

2005年にはチームの主将を務め、そのリーダーシップのもと、チームを社会人野球日本選手権大会のベスト4へと導きました。また、社会人野球の最高峰である都市対抗野球大会では、第78回大会（2007年）と第79回大会（2008年）において、2年連続で大会優秀選手（一塁手）に選出されるなど、その攻守にわたる活躍が高く評価されました。その他にも、第50回JABA北海道大会での首位打者賞や、2009年の東京都野球連盟優秀選手賞など、数々の個人タイトルや表彰を受けています。

引退、そして指導者へ

2010年シーズンをもって現役を引退し、社業に専念することとなりました。しかし、野球への情熱は途絶えることなく、2018年からは古巣である鷺宮製作所硬式野球部のコーチとして、再びグラウンドに戻り、後進の育成に力を注いでいます。

プレースタイルと評価

高校時代は、甲子園優勝投手として左腕から繰り出す速球と変化球で注目されましたが、大学・社会人では、右投左打の内野手として、特にシャープで勝負強い打撃が持ち味でした。社会人野球界屈指の強打者として、多くの重要な場面でチームを勝利に導きました。投手として輝かしい実績を残した後、野手として新たな道を切り開き、成功を収めたそのキャリアは、彼の野球に対する情熱と適応力の高さを物語っています。

主な表彰・タイトル

• - 第78回都市対抗野球大会 優秀選手（一塁手）
• - 第79回都市対抗野球大会 優秀選手（一塁手）
• - 第50回JABA北海道大会 首位打者賞
• - 2009年東京都野球連盟 優秀選手賞

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