久保田順一

久保田順一

久保田順一（くぼた じゅんいち、1947年 - ）は、日本の歴史学者で、日本中世史を専門としています。特に、群馬県を中心とした地域史の研究に力を注ぎ、上野国（こうずけのくに、現在の群馬県）の武士団に関する数多くの著作を発表しています。

経歴

1947年、群馬県前橋市に生まれました。1970年に東北大学文学部史学科国史専攻を卒業後、群馬県立高校の教員として教鞭を執りました。その後、群馬県地域文化研究協議会の副会長、群馬県文化財保護審議会の専門委員、みやま文庫の編集幹事などを歴任し、地域文化の発展と文化財保護に貢献しました。

研究内容

久保田氏の研究は、新田氏や上杉氏といった中世の上野国を代表する武士団を中心に展開されています。その研究対象は、武士団の盛衰、地域社会における役割、合戦の様相など多岐にわたります。史料を丹念に読み解き、歴史的事実を丁寧に積み重ねることで、これまで知られていなかった中世上野国の姿を明らかにしてきました。

また、久保田氏は、地域に根差した研究活動を重視しており、地域文化の振興にも積極的に取り組んでいます。その活動は、地域住民に歴史への関心を深めさせ、郷土愛を育む上で大きな役割を果たしています。

著書

久保田氏は、多数の著書を発表しており、その研究成果は広く社会に共有されています。主な著書には、以下のようなものがあります。

単著
『上野武士団の中世史』（みやま文庫、1996年）
『新田一族の盛衰』（あかぎ出版、2003年）
『新田一族の戦国史』（あかぎ出版、2005年）
『室町・戦国期上野の地域社会』（岩田書院、2006年）
『中世前期上野の地域社会』（岩田書院、2006年）
『上杉憲顕』（戎光祥出版、2012年）
『新田義重―北関東の治承・寿永内乱』（戎光祥出版、2013年）
『新田三兄弟と南朝―義顕・義興・義宗の戦い』（戎光祥出版、2015年）
『上杉憲政―戦国末期、悲劇の関東管領』（戎光祥出版、2016年）
『長野業政と箕輪城』（戎光祥出版、2016年）
『上州白旗一揆の時代』（みやま文庫、2018年）
『戦国上野国衆事典』（戎光祥出版、2021年）
『上野武士と南北朝内乱―新田・上杉・白旗一揆』（戎光祥出版、2023年）

共編著
『桐生佐野氏と戦国社会』（岩田書院、2007年）
『長尾景春』（戎光祥出版、2010年）
『群馬県大間々扇状地の地域と景観 自然・考古・歴史』（大間々扇状地研究会、2010年）
『上野岩松氏』（戎光祥出版、2015年）
『戦国史 上州の150年戦争』（上毛新聞社、2016年）

編訳
『関東古戦録 上巻』(あかぎ出版、2002年)
* 『関東古戦録 下巻』(あかぎ出版、2002年)

これらの著書は、いずれも地域史研究に不可欠なものであり、中世史研究者のみならず、地域史に関心を持つ多くの人々に読まれています。

久保田順一氏の業績は、日本中世史研究、特に地域史研究において非常に重要な貢献となっています。その詳細な研究と地域への深い愛情は、今後も多くの研究者に影響を与え続けるでしょう。

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