久保芳之

久保芳之（くぼ よしゆき、Yoshiyuki (Yoshi) Kubo, 1961年9月1日 - ）は、日本のソフトウェア技術者であり、現在はフリーランスのITコンサルタントとして、またITと通信業界のマネージングコンサルタントとして活躍しています。

生い立ちとキャリアの初期

東京都出身の久保氏は、15歳で留学のため渡米し、シアトルで高校、大学を卒業しました。大学在学中には、日本のパソコン雑誌にシアトルの現地取材記事を寄稿するなど、早くからIT分野への関心を示していました。アメリカでソフトウェア開発の経験を積んだ後、1996年に帰国し、ITコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせました。その後、会社員としてIT企業に勤務した時期もあります。

アルダス時代：日本語ローカライズへの貢献

1988年、久保氏はシアトルのソフトウェア会社アルダスに入社しました。アルダスでは、日本語、中国語、韓国語といった2バイト文字に対応した製品のプロダクトマネージャーを担当しました。この時期に、Aldus PageMaker（後にAdobe PageMaker）、FreeHand、パースエージョン、プレプリント、そしてスーパーペイントといった主要なソフトウェアの日本語ローカライズを主導しました。これらのソフトウェアの日本語化は、パソコンの普及を加速させる大きな要因となりました。特に、テキスト処理が複雑なDTPソフトウェアにおいて、日本語のテキスト処理を開発し、文字化け現象を「Mojibake」として現地の技術者に教えたことは、業界に大きな影響を与えました。また、「漢字バージョン」という表記を「日本語バージョン」に改めるよう、当時のソフトウェアメーカーやAppleに働きかけたことも、その後の業界における日本語表記の標準化に貢献しました。

パーム時代：PDAの普及に貢献

1999年、久保氏はパームにコンサルタントとして入社し、日本でのパーム普及活動に尽力しました。デベロッパーコミュニティーを立ち上げ、パームOSのライセンス販売やアライアンス・マネージメントに携わりました。当時、パームは、個人情報を整理する携帯端末として、日本でも普及し始めていました。パソコンとの情報同期やアプリ開発の容易さから、多くの開発者に支持され、日本でもソニーがCLIEというPalm OS搭載のPDAを開発・販売していました。このパーム社からは、後にAmazon Kindleの開発者や、iPhoneやAndroidに関わる多くの技術者が輩出されました。

ボーダフォン、ノキア、オペラ時代

パームでの海外向けワイヤレス端末開発経験を生かし、2004年からボーダフォンでグローバル仕様端末開発を担当しました。その後、ノキア、オペラソフトウェアを経て、携帯電話用のモバイルウィジェット開発にも携わりました。

日本の大手通信会社、インテル、Mozilla時代

2008年から2012年まで、日本のある大手携帯通信会社のJoint innovation Labで、Widgetプラットフォームとエコシステムの開発を担当しました。2012年からはインテルサービス部門でネットワークAPI関連製品の日本代表を務めた後、2014年にはMozilla Corporationでビジネス開発/プログラムマネジメントディレクターとして、Firefox OS搭載の携帯端末Fx0をKDDIと共同開発し、ローンチしました。Fx0は2015年のMWCでベストプロダクト賞を受賞しました。

その他の活動

2010年から2015年にはテアトルアカデミーに所属し、俳優活動にも挑戦しました。また、2017年以降は、日本のスタートアップでCTO、中国系IT企業でカントリーマネージャーを務めました。

特許

久保氏は、「商品及び役務の評価システム及び評価方法」に関する特許を保有しています。

出演作品

久保氏は、テレビドラマ「さよならぼくたちのようちえん」や「リバウンド」に出演し、VPなどにも出演しました。また、新聞広告にも登場しています。テアトルアカデミー生徒募集広告にも出演しています。

久保芳之は、IT業界の発展に貢献し、様々な分野でその才能を発揮している人物です。

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