久地

久地（くじ）について

神奈川県川崎市高津区にある久地は、美しい自然環境と歴史が息づく町名です。現行の行政地名は、久地一丁目から久地四丁目までと大字久地に分かれています。特に久地（丁目あり）の区域では住居表示が実施されており、地域社会の活性化が見られます。

地理的特徴

久地は川崎市高津区の北部に位置し、東部では多摩川に接しています。その西部を府中街道（神奈川県道9号川崎府中線）が通過し、二ヶ領用水の本川も流れています。全体的には平坦な地形ですが、南西には津田山（七面山）と呼ばれる小高い丘があります。南部にはかつて久地梅林が広がり、訪れる人々を楽しませた花の名所でした。

地価と経済

2025年1月1日公示の地価によると、久地の住宅地の地価は、久地1丁目2-26で41万6000円/m²、久地1丁目15-40で33万6000円/m²となっています。地域は工業化とともに変化し、特に東部では多くの工場が立地しています。これは、都心へのアクセスの良さを背景に、経済活動が活発であることを反映しています。

水路と治水

久地に流れる平瀬川は、かつて洪水の問題を引き起こしていました。そこで、流域の水量調整を目的とした久地円筒分水が造られ、平瀬川からの水も新たに久地に向けて流れる流路が設けられました。この新しい流路は「新平瀬川」として知られています。洪水対策の歴史は複雑で、治水に向けた努力が求められてきました。

歴史的背景

久地は古代から居住地として知られ、古墳時代の横穴墓群が発見されています。時代が進むにつれて、江戸時代には徳川幕府の直轄領となり、地域の政治的安定に寄与しました。近年は急速に発展し、工業地帯としての側面も強調されるようになりました。

農業と水の重要性

久地は多摩川と二ヶ領用水に恵まれ、稲作が盛んでしたが、水を巡る争いもありました。特に、二ヶ領用水の水を正確に分水するために、久地円筒分水が造られるなど、地域の水管理は重要な問題でした。かつての名所である久地梅林は、徳川吉宗の時代に梅の木が植えられ、本格的な梅の名所として知られていました。

交通と施設

久地にはJR南武線の久地駅があり、便利な交通網が整備されています。さらに、二子町内には東急田園都市線の駅もあり、都心へもアクセスしやすい環境です。地域の神社や仏教寺院もあり、住民の信仰の場として親しまれています。

まとめ

久地は自然と歴史が融合した場所であり、農業や工業が共存する町です。地域の水資源や交通の利便性は、住民にとって重要な要素であり、また治水の歴史は地域の文化を豊かにしています。また、久地梅林の再生を通じて、昔の名所を次世代に伝える努力が続けられています。

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