久正人

久正人（ひさ まさと）は、1976年12月24日生まれ、神奈川県出身の日本の漫画家です。慶應義塾大学文学部を卒業後、漫画家としてのキャリアをスタートさせました。

大学時代に漫画研究会に所属し、漫画を描き始めたことがきっかけで、4年時に作品を持ち込んだ際に佳作を受賞しました。その後、講談社の『月刊アフタヌーン』の新人賞である「アフタヌーン四季賞」を複数回受賞し、その才能を開花させました。2003年には、同社が発行する『月刊マガジンZ』にて、初の連載作品となる『グレイトフルデッド』を発表しました。

久正人の作品の特徴として、キム・ニューマンの小説『ドラキュラ紀元』から影響を受け、歴史上の人物を関連付けた物語を創造することが挙げられます。また、幼少期から好きだったという怪獣をテーマにした『ノブナガン』は、「久正人の趣味が爆発した」と評されるほど、彼の個性と情熱が込められた作品となりました。さらに、白黒のコントラストを強調した絵柄も特徴的で、これはアメリカン・コミックスの『シン・シティ』からの影響を受けています。

また、恐竜研究家であり漫画家・イラストレーターのヒサクニヒコを父に持ちます。当初は父親の影響に反発し、恐竜に関心を持っていませんでしたが、高校生の時に映画『ジュラシック・パーク』を鑑賞したことがきっかけで、恐竜にも興味を持つようになりました。恐竜が絶滅しなかった世界を描いた作品『ジャバウォッキー』では、自身をニッポノサウルスの氏族で1875年生まれ／1920年没という設定で登場させています。恐竜だけでなく、古代生物カリコテリウムの復元模型も制作するなど、古代生物への深い造詣を見せています。

漫画制作にはMacintoshを使用しており、デジタル環境を駆使して作品を生み出しています。

2017年には、特撮テレビ番組『宇宙戦隊キュウレンジャー』でキャラクターデザイン・コンセプトアートを担当しました。この起用は、同シリーズの企画協力である企画者104の松井大が、久正人の作品のファンであり、作品から特撮ファンであることを感じたことがきっかけとなりました。参加にあたり、前作『動物戦隊ジュウオウジャー』の怪人デザインも試験的に執筆しましたが、採用には至りませんでした。

2021年には、『ニンジャバットマン』で第51回星雲賞コミック部門を受賞し、その才能と功績が広く認められました。

主な作品
グレイトフルデッド（『月刊マガジンZ』2003年 - 2004年）
ジャバウォッキー（『月刊マガジンZ』→『マガジンZ∞』2006年 - 2009年）
ノブナガン（『コミック アース・スター』2011年 - 2015年）
エリア51（『月刊コミック@バンチ』2011年 - 2017年）
ジャバウォッキー1914（『ネメシス』2014年 - 2018年）
カムヤライド（『コミック乱ツインズ』2018年 - 連載中）
ニンジャバットマン（『月刊ヒーローズ』2018年 - 2019年）
ミラーマン2D（『TSUBURAYA IMAGINATION』『コミプレ』2021年 - 連載中）
龍と霊 -DRAGON＆APE-（『モーニング』2024年 - 連載中）

デザイン参加作品
宇宙戦隊キュウレンジャー
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー
騎士竜戦隊リュウソウジャー
ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
仮面ライダーゼロワン
* 仮面ライダーリバイス

久正人は、漫画家としてだけでなく、キャラクターデザイナーとしても多岐にわたる分野で活躍しており、その創造性と才能は、多くのファンを魅了し続けています。

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