久米川駅

久米川駅（くめがわえき）

久米川駅は東京都東村山市栄町に位置する、西武鉄道新宿線の駅です。その駅番号はSS20です。近くには同名の久米川町がありますが、そちらの最寄駅は隣の東村山駅です。この駅と町は旧北多摩郡久米川村に関連し、名称の由来もそこから来ています。

駅の歴史

久米川駅は1927年4月16日に開業しました。当初の住所は東村山村大字久米川で、その名にちなんで駅名が付けられましたが、1964年の区画整理により現在の栄町に移転しました。

開業当初、周辺はほとんど人家がなく、雑木林や畑のみが広がるエリアでしたが、開業を可能にしたのは東京土地住宅という会社が駅用地を提供したからです。この会社は大規模な土地開発を計画し、1925年には初めて30万坪を販売しましたが、買い手は主に資産家で、実際には別荘地としての投資目的で購入されたため、駅の利用者は増えませんでした。その後、東京土地住宅の経営が乱れ、土地開発計画も頓挫しました。

戦前の久米川駅周辺では借家が主流で、自宅を持つのは富裕層に限られ、駅に対する恩恵は薄かったと言えます。しかし、1931年に開催された「久米川テント村」では、多くの少年が集まり、これを契機に西武鉄道は駅の利用促進に力を入れました。

駅舎の整備

久米川駅の駅舎改築作業は長期間の検討と議論を経て行われました。1972年、西武鉄道が提案した橋上駅舎の骨子に対して、身体障害者団体と商店会との間で意見が対立し、その後の調整が必要でした。1978年には障害者団体からの要望も反映され、1981年に福祉モデル駅として新駅舎が完成しました。

また、2010年には北口駅舎が新たに建設され、2013年には構内にエレベーターが設置されるなど、バリアフリー環境も充実しました。現在、久米川駅は早期にバリアフリーを取り入れた駅として認知されており、医療機関が周辺に多いことから通院患者のニーズにも応えています。

利用状況と周辺環境

2024年度の一日平均乗降人員は30,875人であり、西武鉄道の全92駅中28位とされています。かつては秋津駅や東村山駅に乗車人数で抜かれてしまいましたが、駅周辺は商業機能が充実しており、様々な銀行や宿泊施設も位置しています。駅南口から北口にかけては商店街が広がり、地域の中心としての役割を果たしています。

また、バス路線も整備されており、南口や北口から多くの路線が運行されています。これにより交通の便も良く、清瀬駅や新秋津駅などへのアクセスも容易です。

まとめ

久米川駅は、歴史的背景を持つ駅であり、周辺の発展と共に進化を続けています。多くの人々が利用しやすいバリアフリー構造と、地域の機能を強化する取り組みが進む中で、地域住民にとって欠かせない存在となっています。

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