久米金弥

久米金弥の生涯と業績

生い立ちと教育

久米金弥（くめ きんや）は、慶応元年8月12日（1865年10月1日）に東京府士族の家庭に生まれました。父親は久米美由で、彼はその長男として育ちました。1884年（明治17年）には東京大学を卒業し、内務省に入省する道を選びました。この時の教育が後の彼の官僚としてのキャリアの基盤となります。

官僚としてのキャリア

内務省に入ると、久米は書記官や参事官、さらには社寺局長といった重要な役職を歴任しました。彼はその後、逓信省に移籍し、参事官や通信局長としての役割を果たしました。さらに、農商務省へと転職し、特許局長や山林局長、最終的には農商務次官にまで昇進しました。これらの役職を通じて彼は日本の行政や産業の発展に寄与しました。

工業所有権保護協会の設立

特に注目すべきは、彼が1904年（明治37年）に農商務大臣清浦奎吾と共に「工業所有権保護協会」を設立したことです。この協会の初代常務委員長に就任し、副会長も務めました。工業所有権保護協会は1910年（明治43年）に「帝国発明協会」と改称されましたが、久米は副会長として引き続き協会の運営に携わっています。この活動によって、日本における産業発展の基礎を築くことに大きく貢献しました。

愛国婦人会との関わり

久米金弥はまた、愛国婦人会の事務総長としても活動していました。この団体は主に女性たちが国のために尽力することを目的としていました。彼のリーダーシップのもとで愛国婦人会は様々な社会貢献活動を展開し、日本の近代化に貢献しました。

栄典および著書

久米金弥はその優れた功績により、1892年（明治25年）9月26日に従六位を授与されています。また、彼は専門書『警官実用』（1886年、伊藤書店）を著しており、官僚としての知識を広めることにも尽力しました。この書籍は、当時の警察制度や実務についての知見をもたらし、後の警察官たちにとっての貴重な参考資料とされています。

最後に

昭和7年（1932年）5月6日に77歳で亡くなった久米金弥は、その生涯を通じて、日本の内務や逓信、農商務の各分野で多大な影響を残しました。その業績は今なお評価され、彼の活動から多くの教訓を得ることができます。

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