従六位

従六位：律令制から現代まで続く日本の位階

従六位は、日本の歴史において重要な役割を担ってきた位階の一つです。その歴史と変遷、そして現代における位置づけを詳しく見ていきましょう。

律令制における従六位

日本の位階制度は、大宝元年（701年）に制定された大宝律令に端を発します。従六位もこの際に定められ、正六位の下、正七位の上に位置づけられました。律令制下では、さらに従六位上と従六位下とに細分化され、具体的な官職と結びついていました。

例えば、中務省の少丞や中監物、その他の省の少丞や少判事、宮中における大進や少進、地方官としての介や守といった職位に就く者は、従六位に叙せられました。これらの官職は、それぞれ朝廷や地方行政における重要な役割を担っており、従六位はその地位を反映する位階であったと言えるでしょう。

明治時代以降の変遷

明治時代に入ると、太政官制の施行に伴い、従六位の等級区分である上下の区別は廃止されました。この時代には、神祇官の大史や太政官の少史、大学校の大助教といった官職が従六位に相当しました。

昭和21年（1946年）に生存者叙位が停止されるまでは、文官では高等官5等（中学校や師範学校の校長など）、武官では少佐（大隊長など）の初叙位階として、従六位が用いられていました。叙位停止後は、故人を対象とした叙位となり、省庁の本省係長級職員や地方公共団体の課長級職員、公立中学校の校長職などにあった者が叙せられています。

著名な従六位

従六位に叙せられた人物の中には、歴史に名を残す著名人も多く含まれています。例えば、明治期の軍神として知られる海軍中佐の広瀬武夫や、阪神電気鉄道初代社長で阪神タイガースの創設者である外山脩造などが挙げられます。また、政治家の故中曽根康弘元首相も、海軍在籍時の海軍主計少佐として従六位に叙せられています。これらの例からも、従六位が日本の歴史において重要な地位であったことが分かります。

まとめ

従六位は、大宝律令以来続く歴史を持つ日本の位階です。律令制から明治時代、そして現代に至るまで、その位置づけは変化してきましたが、常に国家や社会における重要な役割を担う者たちに与えられる位階として存在し続けてきました。 著名な人物の叙位事例も踏まえ、従六位は日本の歴史と社会構造を理解する上で重要な要素と言えるでしょう。

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