久納誠一

久納誠一（1887年3月4日 - 1962年3月13日）は、日本の陸軍軍人であり、最終階級は陸軍中将です。東京に生まれ、久納半治郎の長男として生を受けました。幼少期から軍人の道を志し、名古屋陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1905年11月に陸軍士官学校（第18期）を卒業しました。

翌年6月には騎兵少尉に任官し、騎兵第1連隊に配属されました。その後、陸軍大学校（第26期）に進み、1914年11月に優等で卒業しました。この間、陸軍省軍務局付勤務や伏見宮貞愛親王副官などを務め、エリート軍人としてのキャリアをスタートさせました。

1918年11月からはフランスに駐在し、1年間ルーマニアのフランス軍に従軍しました。帰国後は、陸軍技術本部付（欧州出張）、陸軍大学校教官、参謀本部員などを歴任し、1923年7月には陸軍大臣秘書官に任命され、山梨半造大臣に仕えました。その後も、朝鮮総督秘書官、騎兵第28連隊長、陸軍大学校教官、陸軍[[騎兵学校]]教官、第8師団参謀長など、要職を歴任しました。

1934年11月22日には、その功績が認められ、功四級勲三等旭日中綬章を受章しました。この時、第八師団司令部参謀長、騎兵大佐として新聞各社で報道されました。1935年3月には陸軍少将に進級しました。

その後も、騎兵学校幹事、騎兵第4旅団長、朝鮮軍参謀長などを務め、1938年3月に陸軍中将に進級しました。中将昇進後は、軍馬補充部本部長、第18師団長、第22軍司令官、参謀本部付などを歴任し、日中戦争においては、師団長や軍司令官として作戦を指揮しました。しかし、1941年1月には予備役に編入され、第一線を退きました。

戦後、1947年11月28日には、公職追放仮指定を受け、軍人としてのキャリアに幕を閉じました。

久納誠一の親族には、娘婿に陸軍中佐の高木作之、義兄に陸軍少将の小藤恵がいます。

久納誠一は、幼年学校から陸軍大学校まで進み、騎兵科のエリート将校として着実にキャリアを重ねた人物でした。フランス駐在やルーマニアでの従軍経験は、彼の視野を広げたと考えられます。また、陸軍の中枢で要職を歴任したことは、彼の能力の高さを物語っています。日中戦争では、師団長や軍司令官として作戦を指揮しましたが、最終的には予備役編入となりました。戦後は公職追放の対象となり、その生涯を終えました。

彼の経歴は、激動の時代を生きた一人の軍人の軌跡として、日本の近代史を考える上で重要な一例と言えるでしょう。

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