久野宗晴

久野 宗晴の生涯

久野 宗晴（くの むねはる）は、紀州藩田丸城の歴史に名を刻んだ人物であり、家老という重要な役割を果たしました。彼は、慶長14年（1609年）に生まれ、当時の父親、久野宗成のもとで育ちました。宗晴は、寛永の時代に父を失い、わずか16歳で家督を継ぐことになりました。

家族背景と早期の人生

父の久野宗成は、田丸城代として藩の発展に尽力し、その影響を受けた宗晴は、家督を継いだ後、藩主徳川頼宣のもとで仕官しました。彼の正室は、山本正春の娘であり、結婚によって更なる家族のつながりを深めることになりました。宗晴の子供である久野宗俊も後に家業を継ぐことになります。

政治的なキャリア

慶長11年（1606年）に生まれた宗晴は、寛永3年（1626年）には1万石の知行地を所有し、田丸城代として実質的な政治活動を始めます。彼の政治的キャリアは順調で、正保3年（1646年）には従五位下に叙任され、その際に通称を外記に改めることとなりました。この官位は、彼の政治的地位と影響力を示すものであり、藩内における重要な地位を示しています。

田丸城の変遷とその影響

慶安2年（1649年）、運命的な出来事が宗晴に襲いかかります。それは、田丸城の天守が大雨によって崩壊したことです。この事件は城の象徴的存在を失わせ、以降、天守の再建は行われませんでした。宗晴は、この困難な時期にどのように藩を導くかが求められていたにもかかわらず、同年に彼自身が病に侵され、享年41でこの世を去ることになります。

結び

宗晴の死後、家督は嫡男の宗俊に引き継がれました。彼の生涯は、短いながらも充実したものであったことが、彼の業績や家庭の背景から見て取れます。紀州藩の歴史において、彼は重要な役割を果たし、藩の安定と発展に寄与した人物として今なお記憶されています。また、彼に関する研究や資料も多く残されており、地域の歴史を知る手がかりとなっています。

参考文献

• - 池山始三『田丸郷土誌 (三重県郷土資料叢書 ; 第60集)』三重県郷土資料刊行会、1977年

関連項目

• - 田丸藩

もう一度検索