久野東一

久野東一：昭和の小野田市長、その功績と生涯

久野東一（くの とういち、1886年12月19日 - 1963年2月3日）は、昭和時代に活躍した日本の政治家です。彼は、初代公選による山口県小野田市長として、戦後の小野田市の復興と民主化に大きく貢献しました。

初代市長としての手腕

1947年、久野東一は小野田市長に就任しました。その年、小野田市農地委員会が発足し、学校給食が開始されるなど、市民生活の基盤となる事業がスタートしました。翌1948年には、市自治体警察が発足し、新制の竜王中学校が開校。小野田、高千帆同農業協同組合が設立され、小野田公民館が開館するなど、民主化に向けた動きが加速しました。

1949年には、第1回成人式が開催され、小野田女子高等学校が小野田高等学校に統合されました。また、労働会館が南中川に建設され、商工会議所会館や庶民住宅の新築、失業対策事業が開始されるなど、市民の生活を支えるための様々な施策が実行されました。

市民生活の向上と課題

市長としての最後の年となった1950年には、市民病院が開設され、船木鉄道の運行が開始、国鉄小野田線の電化、市観光協会の発足など、市民生活の向上に大きく貢献しました。しかし、この年は若沖炭鉱での海水流入事故やキジア台風による西沖山干拓堤防の決壊など、不幸な出来事も重なりました。同年10月、久野東一は市長を辞任しました。

死去

1963年2月3日、久野東一は老衰のため、その生涯を閉じました。

参考文献

• - 歴代知事編纂会 編集『日本の歴代市長 : 市制施行百年の歩み』 第3、歴代知事編纂会、1983年。
• - 中西輝磨『昭和山口県人物誌』マツノ書店、1990年。

久野東一は、戦後の混乱期において、小野田市の復興と市民生活の安定に尽力した人物として、その名が刻まれています。

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