乗如

乗如（じょうにょ）は、江戸時代中期に生きた浄土真宗の僧であり、東本願寺第19代法主としてその名を歴史に刻んでいます。延享元年（1744年）に第17代法主・真如の五男として誕生し、若くして第18代法主・従如の法嗣となりました。

宝暦10年（1760年）に従如が亡くなると、その後を継いで第19代法主となります。在任中には、天明8年（1788年）に京都を襲った大火によって東本願寺の本堂が焼失するという未曽有の災厄に見舞われました。しかし、乗如は不屈の精神で復興に尽力し、同年11月には大信寺（八尾御坊）の本堂を移築して仮御影堂としました。

寛政元年（1789年）には本堂再建に着手し、「手斧始」と呼ばれる儀式を執り行いました。本堂の完成を見ることなく、寛政4年（1792年）に49歳でこの世を去りましたが、彼の遺志は後世に引き継がれ、本堂は彼の死後6年後の寛政10年（1798年）に完成しました。

乗如の時代は、東本願寺にとって苦難の時代でありましたが、彼のリーダーシップと尽力によって、復興への道が開かれました。彼の功績は、今もなお東本願寺の歴史の中で語り継がれています。

年号について

本解説では、暦の正確性と史料との整合性を重視し、貞享2年（1685年）から宝暦4年（1755年）までは貞享暦を、宝暦5年（1755年）以降は宝暦暦を使用しています（ただし、没年月日を除く）。

本山の表記について

本願寺が正式名称ですが、西本願寺との区別を明確にするため、本解説では東本願寺と表記しています。

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