乗鞍コロナ観測所

乗鞍コロナ観測所について

乗鞍コロナ観測所は、かつて長野県と岐阜県の境に位置する乗鞍岳山頂に、国立[[天文台]]が設置していた天体観測所です。標高2876mの摩利支天岳頂上に位置し、その高い標高は、太陽コロナ観測に最適な環境を提供していました。3台のコロナグラフを中心に、太陽の様々な現象を観測し、日本の太陽観測研究において重要な役割を果たしました。

観測内容

この観測所では、太陽のコロナのほか、プロミネンス、フレア、プラージュ、ダークフィラメント、スピキュールなど、様々な太陽活動を観測していました。特にコロナ観測は、大気中の散乱光の影響を受けにくく、高標高で背景光の少ない環境が不可欠です。そのため、乗鞍岳の山頂という立地が大きな利点となっていました。

環境と設備

飛騨山脈の厳しい自然環境の中に位置するため、特に冬季は雪に閉ざされてしまいます。そのため、施設内には宿泊施設、発電装置、食料庫が完備され、かつては石炭木炭庫も設置されていました。観測は当初、年間を通して行われていましたが、1998年からは5月中旬から10月末までの期間に限定されました。

閉鎖と再開

施設の老朽化により、2010年3月31日をもって天体観測所としての役割を終えましたが、2011年からは、自然科学研究機構直属の「乗鞍観測所」として、研究利用が再開されました。太陽コロナ観測の役割は、現在では太陽観測衛星「ひので」が引き継いでいます。これは、かつて富士山レーダーが、ひまわりの運用開始により閉鎖された流れと同様です。

沿革

1949年：東京大学東京天文台の附属施設として完成。
1950年：萩原雄祐らがコロナグラフを設置し、本格運用開始。
1988年：国立[[天文台]]が発足。
1998年：通年観測を中止し、5月中旬から10月末までの観測となる。
2010年：3月31日、天体観測所としては閉鎖。
2011年：自然科学研究機構乗鞍観測所として再出発。

所在地

観測所は長野県と岐阜県の境に位置しており、住所は以下の2つが存在します。通常は長野県の住所が使用されることが多いです。

長野県松本市安曇乗鞍岳
岐阜県高山市丹生川町乗鞍岳

関連情報

国立[[天文台]]：乗鞍コロナ観測所を設置・運営していた機関。
ひので (人工衛星)：太陽観測を行う人工衛星。
自然科学研究機構：現在の乗鞍観測所を運営する機構。

外部リンク

乗鞍観測所 - 東京大学 宇宙線研究所
* 東京大学宇宙線研究所 乗鞍観測所

URL1とURL2は、実際にはリンク先のURLに置き換えてください。

もう一度検索