乙川

乙川（おとがわ）

乙川は、愛知県岡崎市を流れる一級水系矢作川の最大の支流であり、地域住民からは菅生川や大平川とも呼ばれています。

地理

乙川は、岡崎市東部、新城市との境界に位置する巴山付近を源流とし、西へ流れます。茅原沢町で男川と合流した後、天白町で矢作川に合流します。合流地点の近くにはJR東海道本線が走っています。

岡崎公園近くの河川敷では、毎年4月に家康行列の戦国模擬合戦が、8月初旬には花火大会が開催され、多くの人々で賑わいます。

かつて、岡崎都市美化協会が中心となり、小学校の児童たちがコイを放流し、そのコイは「みかちゃん」と呼ばれ、乙川のシンボルとして親しまれました。

殿橋と潜水橋の間には「乙川噴水」が設置され、手づくり郷土賞を受賞。また、「おとがワ！ンダーランド」も同賞を受賞し、乙川は地域に親しまれる水辺空間として評価されています。

六名堤と河道変遷

中世まで、乙川の本流は現在の占部川筋を流れていましたが、1399年（応永6年）に築かれた六名堤によって矢作川へと合流するように変更されました。この河道変更は、水田開発や水運向上、岡崎城の要害化を目的としていたと考えられています。

しかし、1882年（明治15年）には六名堤が決壊し、広田川流域で甚大な被害が発生しました。

河津桜

竜美丘会館裏手から竹橋にかけての堤防には、3月になると河津桜が咲き誇り、美しい景観を作り出します。これは、市民が植樹したもので、徳川家の家紋にちなんで「葵桜」と名付けられ、多くの観光客が訪れる名所となっています。

都市計画道路岡崎環状線

岡崎市では、乙川を越えて市内の中心部と市街地外縁を結ぶ都市計画道路「岡崎環状線」の整備が進められています。未整備区間の整備が優先的に進められています。

乙川には新しい橋が架設される予定です。

泰平の祈りプロジェクト

徳川家康没後400年記念事業として、「泰平の祈りプロジェクト」が開催され、乙川の水面にLEDボールを浮かべる幻想的な光景が多くの人々を魅了しました。このイベントはその後も継続して開催されています。

乙川河川緑地管理運営事業

岡崎市は、コンベンション施設建設に合わせ、乙川左岸河川敷の利活用を目的とした「乙川河川緑地管理運営事業」を実施しています。指定管理者制度を活用し、殿橋付近の河川敷はキャンプ場としても利用されています。

乙川の景観

乙川は、その美しい景観と豊かな自然環境で、市民の憩いの場として親しまれています。春には桜が咲き誇り、夏には花火大会が開催され、四季折々の風景を楽しむことができます。また、河川敷では様々なイベントが開催され、地域住民の交流の場となっています。

支流・流域自治体

乙川の主な支流として、男川などが挙げられます。

流域の自治体は愛知県岡崎市です。

橋梁

乙川には多くの橋が架かっています。代表的な橋として、前田橋、千万町橋、明代橋、殿橋などが挙げられます。

乙川は、岡崎市の自然、歴史、文化を育む、かけがえのない存在です。

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