九一式中間練習機

九一式中間練習機（きゅういちしきちゅうかんれんしゅうき）は、大日本帝国海軍によって開発された練習機です。この機体は、1930年に当時の主力練習機である三式陸上初歩[[練習機]]と実用機の性能差を解消するために設計されました。300馬力級のエンジンを搭載したこの中間練習機は、横須賀海軍工廠による指示に基づき開発が進められ、1931年4月には試作一号機が完成しました。

設計と仕様

本機の設計は、佐渡次郎機関少佐と鈴木為文技師を中心に行われました。機体の構造は、木材と金属を組み合わせた混合骨組みに、布で張られた複葉機を採用しています。これにより、張線や翼間支柱の構造は、過去の機体に比べてシンプルに仕上げられています。また、搭載されたエンジンは瓦斯電製の「天風一一型」で、最大340馬力を発揮します。

この優れたエンジンのおかげで、九一式中間練習機は優れた上昇力と航続力をもち、特に最大速度は204 km/hに達し、当時の現用偵察機に匹敵しました。しかし、こうした性能は一方で機体の安定性に影響を与え、特に横方向の安定性が不足しているという問題が指摘されました。その結果、練習機としては性能が過剰であるとの評判も立ちました。

結果とその後の発展

最終的には九一式は制式採用されるものの、練習機としては不適切と判断され、実験機としての運用に留まることになりました。しかしその後、九一式に改修を施した機体が九三式中間練習機として改めて制式採用され、量産体制に入ります。この九三式は、実際に練習機として多くの航空士に利用されることとなり、当時の日本航空界における重要なモデルとなりました。

諸元

- 全長: 7.89 m
- 全幅: 11.10 m
- 全高: 3.32 m
- 主翼面積: 27.7 m²
- 自重: 1,000 kg
- 全備重量: 1,500 kg
- エンジン: 瓦斯電天風一一型空冷星型9気筒（最大340 hp）× 1
- 最大速度: 204 km/h
- 航続時間: 3時間
- 武装: 7.7mm固定機銃 × 1、30kg爆弾 × 2
- 乗員: 2名

このように、九一式中間練習機は当時の航空技術の進歩を象徴する機体であり、後の航空機設計に多大な影響を与える存在となりました。

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