九七式艦上攻撃機

九七式艦上攻撃機の概要

日本海軍で活躍した九七式艦上攻撃機（きゅうななしきかんじょうこうげきき）は、二つの主要な設計である中島製（B5N）と三菱製（B5M）の二つのバリエーションが存在します。この機体は、1935年に海軍が競争試作を命じた結果、1937年に両者が共に採用されました。特徴的な点は、両機体の間に決定的な性能差が見られなかったことであり、それによって二機種が同時に採用されることとなったのです。特に中島製のB5Nは、全金属製の低翼単葉機であり、日本初の引込脚を持つ単発機でもあります。

設計と進化

九七式艦上攻撃機の設計は、航空機の先進性を盛り込んだものです。中島製一号（B5N1）は、特に可変ピッチプロペラや密閉式風防を採用していることが特徴です。同機の初飛行は1937年1月8日に成功しており、その後、B5N2としての改良も施されています。一方、三菱製の二号（B5M1）は固定脚を採用しており、搭乗員には安定性が高いとされたものの、油圧系統に問題があったため早い段階で生産が終了しました。

戦歴

九七式艦上攻撃機は、多くの戦闘でその性能を発揮しました。真珠湾攻撃では、B5N3が63機出撃し、アメリカ海軍の艦艇に対して雷撃を行い、36発の魚雷を命中させたとされています。また、淵田美津雄中佐が放った「トラ・トラ・トラ」という信号がこの機体から発信されたことでも知られています。後のマリアナ沖海戦でも活躍し、大戦末期には特攻任務にも従事しました。

諸元と性能

例えば、B5N2の主要諸元は以下の通りです：

• - 乗員：3名
• - 全長：10.3m
• - 全幅：15.518m
• - 最大速度：377.8 km/h（高高度）
• - 武装：九二式七粍七旋回機銃×1、800kg航空用魚雷または500kg爆弾など

これは、戦闘機としての能力を高める要素が詰め込まれています。

現在の状況

現在、九七式艦上攻撃機の実機は博物館で見ることができます。また、2021年には海中から引き上げられた当機が文化財として保存されています。さらに、映画やゲームに登場し、多くの人々にその名を知らしめています。特に実機が使用された映画では、その迫力あるシーンが再現されています。

エピソード

九七式艦上攻撃機は、いくつかの映画に登場しており、当時の戦闘シーンをリアルに描写したものとなっています。「ハワイ・マレー沖海戦」では主役機として活躍し、「雷撃隊出動」でも重要な役割を果たしています。また、ゲーム『War Thunder』や『艦隊これくしょん～艦これ～』などに登場し、プラットフォームを問わず多くのファンに親しまれています。

このように九七式艦上攻撃機は、設計面でも戦歴でも特出した存在であり、日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たしてきました。

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