九州地方整備局

九州地方整備局の概要

九州地方整備局は、国土交通省の地方支分部局の一つであり、九州地方の7県（福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県）を管轄しています。沖縄県は含まれておらず、その管轄は内閣府沖縄総合事務局が担当します。さらに、港湾事業については、関門海峡の統一的な整備を目的とし、山口県下関市が管轄区域に含まれています。

本局は福岡市博多区に位置しており、福岡第二合同庁舎内にあります。また、港湾空港部の中にある港湾危機管理官室は、山口県下関市に開設されています。この設置は、関門海峡の重要な施設における危機管理を考慮したものであり、港湾空港部のそもそもの拠点が下関市であったことに由来します。

沿革

九州地方整備局の歴史は1886年にさかのぼり、内務省第六区土木監督署が久留米に設置されたところから始まります。1894年には区名が変更され第七区土木監督署となり、以降も各地への移転や改称が行われました。1905年には土木監督署が廃止され、新たに土木出張所が設立されましたが、全国の土木事務所が4区域に再編されたため、九州地方は大阪土木出張所の管轄区域となりました。

1910年代には関門改良工事係が設けられ、1911年には内務省下関土木出張所が発足し、中国地方西部と九州・沖縄を担当することになりました。1943年の名称変更を経て、沖縄を含む九州8県を管轄にする九州土木出張所が設置され、自らの所在地を福岡市および下関市と定めました。

1945年には内務省九州土木出張所としての機能が福岡市に移転し、沖縄と奄美群島が日本の主権外に置かれたことが影響を与えました。その後、1948年の内務省廃止によって九州地方建設局に移管され、さらに2001年には省庁再編を経て国土交通省の九州地方整備局として再構築されました。

2006年には港湾空港部が福岡市に移転されていますが、下関市には港湾危機管理官室が残っています。この組織は2013年に高速道路の維持管理を行う延岡高速道路維持出張所を新たに設け、現在も九州地方の交通インフラの維持管理に努めています。

廃止された組織

九州地方整備局には、過去にいくつかの廃止された組織があります。2009年に九州幹線道路調査事務所と佐賀河川総合開発工事事務所が廃止され、その後も長崎営繕事務所や嘉瀬川ダム工事事務所等が次々と閉鎖されました。近年では2021年に雲仙復興事務所が廃止されています。

船舶の運用

九州地方整備局では、海洋・港湾業務を支えるために、いくつかの船舶が運用されています。特に、清掃兼油回収船の「がんりゅう」や、測量船の「海燕」などがあり、それぞれ特化した機能を持ち合わせています。海燕は高性能音響測深機を備えた測量船で、関門航路内での監視活動を行っています。

九州地方整備局は、地域の交通インフラの整備・管理を担う重要な組織として、歴史と技術を重ねて進化してきました。今後も地域の発展と安全に寄与するため、さらなる発展が期待されます。

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