九州産交観光

九州産交観光株式会社について

九州産交観光株式会社は、かつて存在した熊本県熊本市に本社を置く、九州産業交通ホールディングス傘下の企業でした。主に貸切バス事業を専門としていましたが、過去には乗合バス事業も一部展開していました。2015年10月1日、親会社である九州産交バスに経営統合され、その歴史を終えました。

沿革

九州産交観光の歴史は、1942年に設立された九州産業交通株式会社に遡ります。当初は路線バスと貸切バスの両方を運営していましたが、1964年に貸切バス事業を専門とする子会社、大阿蘇観光バス株式会社が設立されました。

1984年には、九州産交観光株式会社（第1次）が設立され、九州産業交通から小型貸切バス事業と一部の乗合バス事業を承継しました。その後、1986年に産交観光バス株式会社へ改称し、同時に九州産交観光株式会社（第2次）が設立されました。これにより、大型貸切バス事業が九州産業交通から引き継がれ、貸切バス事業と路線バス事業が完全に分離しました。

1999年には、九州産交観光株式会社（第2次）が解散し、事業は新たに設立された九州産交観光株式会社（第3次）に承継されました。2005年には、大阿蘇観光バス株式会社を存続会社として、九州産交観光株式会社（第3次）を吸収合併し、社名を「九州産交観光株式会社」に変更しました。この再編により、産交観光バスを含むグループ全体の貸切バス事業が統合されました。

そして2015年9月30日、九州産交観光は親会社の九州産交バスに経営統合されることとなり、同日をもって営業を終了し、31年の歴史に幕を閉じました。翌日、2015年10月1日には、九州産交バスに業務が継承され、貸切バス事業部として新たなスタートを切りました。

営業所

廃止時点での九州産交観光の主な営業所は以下の通りです。

本社・熊本営業所：熊本県熊本市西区小島8丁目
営業部
天草営業所：熊本県天草市北浜町
大牟田営業所

また、熊本県内には、八代、松橋、大津、山鹿、玉名、人吉、水俣にも車両拠点が置かれていました。

乗合バス事業（廃止代替バス）

九州産交観光は、1984年の設立当初、小型貸切バス事業の他に、乗合バス事業も行っていました。これは、親会社である九州産業交通がかつて運行していた不採算路線を廃止後、沿線自治体等の補助によって運行が継続されるようになった、いわゆる廃止代替バスです。これらの路線は、形式上は「貸切バス」扱いでしたが、実質的には一般路線バスと同様の役割を果たしていました。

2005年の事業再構築に伴い、産交観光バスの乗合バス事業は、県内の一般路線バス事業を運営するローカル子会社（天草産交、熊北産交、熊南産交）に統合され、熊南産交を存続会社として、本社所在地を産交観光バスに継承した上で、産交バス株式会社が発足しました。同時に、乗合バス事業の業務は同社に引き継がれました。

かつて存在した営業所

過去には、以下の営業所も存在していました。

熊本営業所　※熊本交通センター（現在の熊本桜町バスターミナル）～ひのくにランド（現在の宇土体育センター）線・平木橋線などを運行
阿蘇営業所
菊池営業所
小国営業所
南関営業所　※後に熊北産交玉名営業所に統合
三角営業所

また、九州産業交通本体およびローカル子会社の各営業所にも、九州産交観光の営業所が併設され、一部路線を継承していました。

まとめ

九州産交観光は、九州産業交通グループの変遷の中で、貸切バス事業を担ってきた重要な企業でした。度重なる組織再編を経て、最終的には親会社に吸収合併されましたが、その歴史は熊本の交通を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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