九州産業交通ホールディングス

九州産業交通ホールディングス株式会社について

九州産業交通ホールディングス株式会社は、熊本県に本社を置く持株会社です。バス事業を中核としつつ、観光、不動産、小売、ホテルなど多岐にわたる事業を展開しています。

概要

2006年4月1日、九州産業交通株式会社が持株会社体制へ移行したことに伴い、現在の体制となりました。同時に、バス事業は「九州産交バス株式会社」、旅行業は「九州産交ツーリズム株式会社」、バスターミナル運営は「九州産交ランドマーク株式会社」へとそれぞれ分割されました。これにより、各事業の専門性が高まり、効率的な運営体制が構築されました。

当初、筆頭株主はHIS-HS九州産交投資事業有限責任組合でしたが、2008年に同組合が解散したことで、澤田ホールディングスとHISが主要株主となりました。2012年には、HISが株式公開買付けによって過半数の議決権を取得し、HISの連結子会社となっています。

現在、路線バスや高速バスの運行に加え、熊本市桜町地区の再開発事業、インターネット通販、物販、飲食店、農業、ホテルなど、約50もの事業を手掛けています。地域経済の活性化に大きく貢献しており、熊本県内での存在感は非常に大きなものとなっています。

沿革

1942年：戦時体制下で、熊本県内のバス・トラック業者106社が統合され、九州産業交通株式会社が設立されました。
1950年：路線バスが養殖池に転落し、多数の死傷者を出す痛ましい事故が発生しました。
1951年：タクシー事業を開始し、事業領域を拡大しました。
1958年：阿蘇山上でロープウェイ事業を開始し、観光事業にも参入しました。
1964年：貸切バス専業の「大阿蘇観光バス株式会社」と、九州横断バスを運行する「九州国際観光バス株式会社」を設立しました。
1969年：「株式会社熊本交通センター」が営業を開始しました。
1978年：貨物運輸事業を「九州産交運輸株式会社」として分離しました。
1979年：熊本市でホームセンター事業を開始しました。
1982年：阿蘇・草千里に「阿蘇火山博物館」を開設しました。
1984年：バス事業の一部を承継する「九州産交観光株式会社」を設立しました。
1986年：ホームセンター事業を承継する「株式会社ホームセンターサンコー」を設立し、貸切バス事業を承継する別の「九州産交観光株式会社」を設立しました。
1991年：バス路線の移管を目的として「熊北産交株式会社」「熊南産交株式会社」「天草産交株式会社」の3社を設立し、熊本～島原間のフェリーを運航する「熊本フェリー株式会社」を設立しました。
2000年：「株式会社熊本交通センター」を吸収合併し、「ホームセンターサンコー」の全株式をイエローハットに売却しました。
2003年：産業再生機構に支援を申請し、支援が決定されました。
2004年：「九州産交運輸」がグループから離脱し、天草国際ホテルと天草ドルフィンワールドを譲渡しました。
2005年：グループ内のバス事業会社を合併・統合し、産業再生機構が所有する株式をHIS-HS九州産交投資事業有限責任組合に譲渡しました。
2006年：九州産業交通が持株会社へ移行し、「九州産業交通ホールディングス株式会社」に商号変更。同時に、事業を分割し、「九州産交バス株式会社」「九州産交ツーリズム株式会社」「九州産交ランドマーク株式会社」を設立しました。
2012年：HISの連結子会社となりました。
2015年：子会社「九州産交リテール株式会社」を設立し、レストラン・売店事業を同社へ分離・継承しました。
2017年：子会社「株式会社KASSE JAPAN」「九州BMサービス株式会社」「九州産交プランニング株式会社」を設立しました。
2018年：「肥後リカー株式会社」と「株式会社華まる堂」の経営権を買収し、子会社「九州産交カード株式会社」を設立しました。
2019年：島原鉄道と包括的業務提携契約を締結し、複合施設「SAKURA MACHI Kumamoto」が開業しました。
2024年：「九州産交カード」を「九州産交ランドマーク」に吸収合併しました。

関連会社

九州産業交通ホールディングスは、多数の連結子会社を有しています。

主な連結子会社

九州産交バス
産交バス
九州産交オートサービス
谷口自動車
熊本フェリー
九州産交ツーリズム
九州産交ランドマーク
九州産交リテール
KASSE JAPAN
九州BMサービス
九州産交プランニング

過去の関連会社

九州国際観光バス
九州産交運輸
ホームセンターサンコー
天草観光開発
阿蘇観光ホテル
産交タクシー
産交ポニータクシー
産交エージェンシー
阿蘇火山博物館
グアム産交
サイパン産交
熊本石油
東ヶ丘トロン保健センター
サンライズシステム
九州産交観光
阿蘇山ロープウェー
九州産交カード

テレビ番組

日経スペシャル ガイアの夜明け「過去の栄光を捨てろ! 〜企業再生のサムライたち〜」（2004年5月11日、テレビ東京）にて、同社の企業再生の取り組みが紹介されました。

まとめ

九州産業交通ホールディングスは、バス事業を基盤としつつ、多角的な事業展開を行う企業です。過去には経営危機を経験しましたが、産業再生機構の支援を受け、見事に再建を果たしました。現在では、HISの連結子会社として、地域経済の発展に貢献しています。熊本県民にとって、欠かせない存在と言えるでしょう。

もう一度検索