九州石油

九州石油株式会社

九州石油株式会社（きゅうしゅうせきゆ、英称: Kyushu Oil Co., Ltd.）は、1960年に設立された日本の石油業界の企業で、主に石油製品の精製や販売、ガソリンスタンドの運営を行っていました。設立当初から九州を中心に広く営業展開をしており、沖縄県を除く九州全域に加え、関東、山梨県、静岡県、岡山県、山口県にも一部店舗を構えていました。

設立と沿革

九州石油は、八幡化学工業、木下商店、八幡製鐵、大洋漁業、九州電力、小野田セメントといった企業の出資により、1960年の12月20日に設立されました。1970年代から1980年代にかけて成長し、1995年には887店舗を持つまでになりましたが、2007年時点では670店舗を運営していました。

同社の中核となっていた大分製油所は、スムーズな石油生産と供給を実現するため、1963年に設立され、1964年から本格的な操業を開始しました。この製油所はその後、同社の重要な資産となりました。

しかし、原油価格の急騰に伴い、企業の経営は厳しいものとなり、2008年に新日本石油（現在のENEOS）によって吸収合併されることとなりました。両社は2008年3月に合併に向けての覚書を締結し、その後の6月には全株式の取得に向けて進展が見られました。合併を通じて九州石油は新日本石油の完全子会社となり、その後、製油部門が新日本石油に移行され、最終的には解散となりました。

事業展開とブランド

九州石油としてのブランド名は「STORK」であり、多くのガソリンスタンドがこの名称で運営されていましたが、合併後にはENEOSに変更されています。特に、九州地区の地方経済に多大な影響を与えた同社の店舗は、地域密着型のサービスを提供し続けていました。

また、大分製油所には13.7万kWの火力発電施設が併設されており、九州電力への電力供給も行っていました。この背景から、九州石油は地域内のスポーツ活動や社会貢献にも積極的に関与していました。具体的には、大分スポーツ公園内の競技施設の名義権契約などを通じて、地域のスポーツ振興に寄与していました。

その他の活動

九州石油は単に石油製品の精製と販売にとどまらず、地域活性化のための活動にも力を入れていました。たとえば、コウノトリの放鳥プロジェクトへの支援や、子供向けのスポーツ教室の開催など、地域住民とのつながりを大切にする運営方針を採用していました。また、「ストークカップ」と名付けられた小学生向けのサッカー大会も主催し、スポーツ活動の普及に努めていました。

終焉と遺産

九州石油株式会社は2008年に新日本石油に吸収合併され、存在を終えましたが、その活動や地域との関係は、新日本石油を経て現在のENEOSに引き継がれています。地域貢献活動やスポーツ支援の精神は、今なおさまざまな形で残されており、企業としての遺産として評価されています。

以上が、九州石油株式会社の概要とその歴史に関する詳細です。

もう一度検索