九州鉄道1形電車

九州鉄道1形電車について

九州鉄道1形電車は、1924年に西日本鉄道（西鉄）の前身である九州鉄道によって製造された木造電車です。この電車は福岡 - 久留米間を結ぶ九州鉄道の路線開業に際して新たに導入されました。さらに、1927年にはこの1形に基づく制御車が製造され、その改造型車両である50形電車も合せて記録されます。

車両の特徴

1形は当初16両が東洋車輌で製造され、各車両はおよそ15メートルの木造車体を持っていました。車両の前面は独特な曲線的なデザインを施し、非貫通形の5枚窓で構成されています。屋根は丸型で、側面は3か所の扉を持つC5-D6D6の窓配置が特徴でした。

50形電車は、一般的に木造車両の新製が廃止され、半鋼製車両が主流となりつつあった時期に、1形に連結できるように設計されましたが、車体形状には大幅な変更が加えられました。平面的なデザインの前面と、改訂された窓配置がその特長です。

運行スタイル

当初、1形電車は単行運転が行われていましたが、輸送需要の増加に伴い、1927年からは2両編成での運用が始まりました。これにより、制御車の必要性が生じ、50形が製造されました。運転台は車両の両端に設けられていたが、独立した運転室はなく、運転台と客室はポールで仕切られていました。

1940年には、常時2両編成以上での運転が行われるよう改造が進み、モ1 - 8は制御車に改造されつつ、モ9 - 16との間で2両の固定編成が設計されました。ただし、計画通りに進まなかった部分もあり、1945年にはモ1 - 8が新たに改番された。

大規模な改造

1951年には、更なる輸送需要増に対応するため、編成の大規模な組み替えが実施され、片運転台化や中間電動車化が図られました。この際に先頭車には全室式の運転室が新設され、通過路が新設された結果、車両の構成が大きく変更されました。

1958年から1960年には、全車両の鋼体化が進められ、20形（後に120形）へと変遷しました。この段階で、鉄道車両の近代化が実現し、運行の信頼性が向上しました。

50形電車の動向

50形においても同様の流れが見られ、1940年以降には常に2両以上の編成で運用されるようになりました。輸送需要の増大から、運転台の撤去や編成の組み替えが行われ、これによって運転効率も改善されました。これにより、木造車両からの脱却が一層進みました。

結局、九州鉄道1形電車はその設計と運用の変遷を通じて、時代の要求に応じた形で進化していきました。歴史的にも価値のあるこの電車は、九州の鉄道文化を形成する重要な存在であったと言えるでしょう。

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