九州鉄道71形蒸気機関車

71形蒸気機関車の概要と歴史

71形は、初代九州鉄道にかつて存在したタンク式蒸気機関車であり、タンク機関車の中でも特に特徴的な存在でした。この機関車は、筑豊鉄道によって開業用の建設を兼ねて導入されたもので、車軸配置は0-4-0(B)を特徴とし、単式2気筒の飽和式サドルタンク機構を持っています。1889年の10月にアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスにより製造され、製造番号は10376です。この機関車は、筑豊鉄道で「1」という番号が付けられていました。

九州鉄道への譲渡

その後、1897年に筑豊鉄道は九州鉄道に事業を譲渡し、この71形も同社の所属となりました。譲渡後は71形に改められ、1900年には同じく筑豊鉄道から譲渡された僚機の72号機とともに八幡製鉄所に移管され、そこで「7」という新たな番号が与えられましたが、後に171と改番されました。

更新と廃車

1937年の形式図によると、15年後に171号機は車輪を除くほぼ全ての部分が更新され、元の姿から大きく変わっていました。これにより、事実上別の機関車として扱われるほどの変化を遂げていました。1952年に運用が終了し、解体されるまで使用されていたことから、この機関車は長い運用寿命を持っていたことがわかります。

主要諸元

71形の主要な諸元は次の通りです。全長は6,667mm、全高は3,200mm、軌間は1,067mmで、車軸配置は0-4-0(B)です。動輪直径は914mm、弁装置はスチーブンソン式アメリカ型を採用していました。シリンダーの直径と行程はそれぞれ254mmと406mmで、ボイラー圧力は9.8m²です。また、火格子面積は0.58m²、全伝熱面積は23.04m²となっています。機関車の運転整備重量は14.1tで、動輪上にかかる重量も同じく14.1tです。水タンクの容量は1.41m³、燃料積載量は0.46tでした。

参考文献

71形に関する詳細情報は、金田茂裕氏の著書「ボールドウィンの小形機関車」（1982年、機関車史研究会刊）に掲載されています。この参考文献は、71形の歴史や他の機関車との関連をより深く理解するための貴重な資料となっています。

71形蒸気機関車は、日本の鉄道の歴史における一つの重要な存在であり、その運用や変遷は多くの人々に影響を与えました。

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