九条政忠

九条 政忠について

九条政忠（くじょう まさただ）は、室町時代から戦国時代初期にかけて重要な役割を果たした日本の公卿である。彼は関白・九条満家の子として誕生し、九条家の13代目当主を務めた。官位は正二位・内大臣、そして晩年には関白にも任じられた。政忠は普門寺という号を持ち、彼の人生は多くの政治的な変動と家族間の争いに影響されていた。

経歴

政忠は若い頃からその将来を期待され、室町幕府の第8代将軍である足利義政（義成）から偏諱を受け、成家（しげいえ）と名乗った。その後、義成が「義政」へ改名すると、重ねて「政」の字を授けられ、最終的には「政忠」と名乗ることとなった。宝徳3年（1451年）には12歳で従三位に叙せられ、官位を徐々に上昇させていく。

康正2年（1456年）には正二位に昇叙され、その後25歳で内大臣に就任する。しかし、家庭内の複雑な事情から、叔父の政基との家督争いが発生し、政忠は一時的に隠居を余儀なくされた（公卿補任）。それでも彼は宮廷に復帰し、長享元年（1487年）に関白に任命され、わずか1年後の長享2年（1488年）には藤氏長者となった。

残念ながら、彼の官職としての活躍は短期間であり、同年の8月23日に49歳でその生涯を終えた。

系譜

九条政忠の家族構成は、父に九条加々丸、母については詳細が不明である。また、妻についても情報はなされていない。しかし、彼にはいくつかの男子が存在し、いずれも高い地位を持つ名家に関係していた。

• - 政超：室町幕府第6代将軍・足利義教の猶子で、権僧正に任命された。
• - 忠厳：准三宮として知られ、東大寺別当に就任した。
• - 桓昭：法成寺平等院の執印を務めた。
• - 忠承：延暦寺の大僧正として活躍した。

政忠はその生涯を通じて多くの影響力を持ち、後の時代にもその名が記憶される公卿であった。彼の複雑な家族関係や政治的な足跡は、室町時代の権力構造を理解する上で欠かせない要素となっている。

出典

政忠についての詳細な情報は、以下の参考文献に基づいている。

• - 近藤敏喬編『宮廷公家系図集覧』東京堂出版、1994年
• - 小和田哲男『日本史諸家系図人名辞典』講談社、2003年

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