九糎臼砲

九糎臼砲（きゅうさんちきゅうほう）

九糎臼砲は、日本が日清戦争から第二次世界大戦にかけて使用した重要な臼砲の一つです。この砲は1891年に初めて制定され、当初は青銅製でしたが、1903年には砲身が鋼製に変更され、以降、大阪砲兵工廠で生産されるようになりました。この装備は砲兵部隊の主力として、多くの戦闘でその威力を発揮しました。

構造と特性

九糎臼砲は、左右の旋回角度が固定されており、駐退機を持たない非常にシンプルな構造をしています。このため、運用が容易で、兵士たちにとって扱いやすい砲台でした。砲の基本的なスペックとしては、口径が90mm、砲身長が850mmで、初速は245m/秒、射程は約4,150m、運用重量は約450kgとされています。特に、この砲の軽量さは迅速な移動と設置を可能にしました。

戦歴

日露戦争では、九糎臼砲は大砲の一員として多くの戦場で活躍しました。特に、十五糎臼砲や二十八糎砲と共に連携し、敵軍に対して強力な支援を行いました。このような戦闘経験は、九糎臼砲の運用において多くのデータや知見をもたらしました。

第二次世界大戦においても、この砲は旧式ながらも沖縄戦線で使用されました。九糎臼砲は、その保守的な設計にもかかわらず、前線での戦闘を支える役割を果たしました。戦後、アメリカ軍がこの砲を鹵獲し、現在では沖縄市にある戦後文化資料展示室ヒストリートに展示されています。展示品としての九糎臼砲は、多くの人々に武器の歴史や戦争の実態を学ぶ機会を提供しています。

まとめ

九糎臼砲は、日本軍の歴史において重要な役割を果たした砲兵器です。その構造や性能はシンプルでありながら、戦場での実績は非常に高く評価されています。歴史を振り返ると、この砲は多くの戦闘でその存在感を示し、現在においても展示を通して人々に語り継がれています。今後も多くの人にその重要性が知られ続けることでしょう。

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外部リンク

• - 写真 - ウェイバックマシン（2013年2月1日アーカイブ分）

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