九重部屋

九重部屋の概要

九重部屋（ここのえべや）は、日本相撲協会に所属し、高砂一門に属する相撲部屋です。その歴史は1959年に始まり、千代の山が年寄名跡「九重」を取得してから独立しました。ここでは、九重部屋の設立から現在に至るまでの足跡と、数多くの幕内力士、特に横綱や大関を輩出した経緯について詳しく見ていきます。

歴史的背景

1959年1月、千代の山として有名な第41代横綱・千代の山が引退し、出羽海部屋の部屋付き親方となりました。同年9月に年寄名跡を取得した11代九重は、出羽海部屋の継承を希望していましたが、1960年11月に7代出羽海が亡くなったことで状況が変わります。武蔵川が出羽海部屋を引き継ぐことになり、ゆくゆくは11代九重がその後継者として見込まれていましたが、最終的には他に後継者が指名されることになります。

そのため、11代は1967年に大関・北の富士を含む多くの内弟子を連れて独立を決意しました。結果として多数の力士が移籍し、11代九重は高砂部屋を頼って新たに九重部屋を設立します。この背景には出羽海一門の不文律があり、紀元220年近い歴史を持つ相撲部屋の中で展開された様々なドラマが集約されているのです。

成功と栄光

九重部屋に移籍した北の富士は横綱に昇進し、その後も部屋は数多くの力士を輩出しました。特に1980年代後半から1990年代前半にかけては千代の富士や北勝海といった横綱が活躍し、九重部屋の名声は高まりました。また、1985年から1987年の間には、千代の富士が8回、北勝海が2回、合計10場所連続での幕内最高優勝を達成し、相撲界に大きなインパクトを与えました。

この時期、九重部屋は多くの関取を育成し、その名は多くの相撲ファンに知られるようになりました。特に千代の富士は、その卓越した力士としてのスタイルから相撲界のアイコンとも言える存在となり、九重部屋は一躍名門の地位を確立しました。

近年の出来事

1990年代以降も九重部屋は数々の変革を経て、2021年には新型コロナウイルスの影響を受け、部屋の活動が大きく制約されました。感染者は出なかったものの、予想されるリスクを考慮し、所属力士たちが相撲を休場する事態も発生しました。

2021年2月には、新しい部屋施設が東京都葛飾区奥戸に移転し、こうした変化にも対応しながら新たな道を模索しています。13代九重の指導のもと、部屋付き親方として多くの力士が活躍し続けている中で、さらなる飛躍を目指している状況です。

結論

九重部屋は、長い歴史と名門としての伝統を持つ相撲部屋であり、数々の名力士を輩出してきました。これからも魅力的な力士が登場し、九重部屋の名は今後も相撲界において重要な役割を果たすことでしょう。新しい世代の力士たちにとって、九重部屋は夢が詰まった場所であり続けると期待されます。

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