出羽海

出羽海（でわのうみ）

出羽海は、日本相撲協会の年寄名跡の一つです。この名跡は、出羽国（現在の山形県、秋田県）に由来すると考えられています。また、一説には、江戸相撲ではなく、庄内地方の名跡であったとも言われています。

名前の変遷

初代から5代目の名跡は「出羽ノ海」でした。しかし、角聖と称された5代目・出羽ノ海（元第19代横綱・常陸山谷右エ門）と同じ年寄名を名乗ることを畏れ多いと判断した6代目（元小結・両国梶之助）が、表記上のみ「ノ」を外し、「出羽海」として継承しました。

この変更以降、5代目・出羽ノ海への敬意は代々受け継がれ、現在に至るまで「出羽海」という表記が用いられています。この慣習は、単なる表記の違いを超え、歴史と伝統に対する深い敬意を示すものとなっています。

出羽海の代々

以下は、出羽海の名跡を継承した人物の一覧です。太字は部屋持ち親方（部屋を経営する親方）を表します。

力士としての出羽海
出羽海運右エ門 (初代) - 天明・寛政年間（1780・90年代）の力士。最高位は前頭筆頭。出羽海金藏 → 出羽海運右エ門（初代）と改名。
鹿間津瀧右エ門 - 享和・文化年間（1800年代）の力士。最高位は幕下筆頭。鷲ヶ浜音右エ門（2代） → 鹿間津瀧右エ門 → 出羽ノ海滝右エ門と改名。
出羽ノ海軍右エ門 - 1860年代の力士。最高位は幕下9枚目。
出羽ノ海運右エ門 (2代) - 1880・90年代の力士。最高位は前頭筆頭。常陸山虎吉 → 出羽海運右エ門（2代） → 出羽ノ海運右エ門と改名。

脚注

出羽海の名称は、時代とともに変化してきました。
名跡を継承した力士の中には、複数回改名した者もいます。

関連項目

出羽海部屋

この名跡は、相撲界の歴史と文化を深く理解する上で重要な要素の一つです。出羽海の歴史は、相撲の伝統と、それを支える人々の物語を伝えています。

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