九集 (増支部)

九集（くしゅう）

九集（くしゅう）、または「Navaka-nipāta」は、パーリ仏典における経蔵の第9集です。このテキストは、仏教の教えと哲学を深く理解するための重要な資料となっています。九集は、全体で432の経を含む10品から構成されており、それぞれが異なるテーマや教えを扱っています。

構成と内容

九集は、以下の10つの品に分かれています。

1. 等覚品（Sambodhi-vaggo）
- 経数：1-10
- 説明：目覚めや覚醒に関する教えが含まれています。

2. 師子吼品（Sīhanāda-vaggo）
- 経数：11-20
- 説明：教えに対する自信や信念を強調する内容です。

3. 有情居品（Sattāvāsa-vaggo）
- 経数：21-31
- 説明：生きとし生けるものの存在に関連する教えが展開されています。

4. 大品（Mahā-vaggo）
- 経数：32-41
- 説明：大きなテーマや重要な教えが取り上げられています。

5. 沙門品（Sāmañña-vaggo）
- 経数：42-51
- 説明：トレーニングや修行に関する教えが中心です。

6. 安穏品（Khema-vaggo）
- 経数：52-62
- 説明：心の安定や平和を得るための知恵が示されています。

7. 念処品（Satipaṭṭhāna-vaggo）
- 経数：63-72
- 説明：マインドフルネスの重要性を扱っています。

8. 正勤品（Sammappadhāna-vaggo）
- 経数：73-82
- 説明：正しい努力と勤勉さについての教えです。

9. 神足品（Iddhipāda-vaggo）
- 経数：83-92
- 説明：超常的な力や霊的な能力の発現に関する内容です。

10. 貪品（Rāga-peyyālaṃ）
- 経数：93-432
- 説明：貪欲や執着に関する深い教えが展開されています。

これらの品は、初めて仏教を学ぶ人から深く探求したい人まで、幅広く利用されている資料で、仏教徒にとって重要な参考文献となります。

日本語訳

九集の日本語訳については、『南伝大蔵経・経蔵・増支部経典6』（第22巻上）として、大蔵出版から出されています。これにより、より多くの人々が九集の教えに触れられるような環境が整っています。

九集は、教えの根本にある真理や倫理を理解し、日々の生活に生かすための指針を提供しているとも言えます。また、各品の内容は、仏教の教えを日常に取り入れるための手段としても機能します。

まとめ

九集は、パーリ仏典の中でその重要性を持つ資料であり、432の経から成り立つ豊かな内容を通じて、仏教の教えを深く理解するための道筋を提供しています。これにより、読者は仏教における様々なテーマや哲学的探求に触れ、自己の成長や霊的な成長へとつなげることができるのです。

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