九鬼隆国

九鬼 隆国（くき たかくに）

九鬼隆国は、摂津三田藩の第10代藩主であり、九鬼氏の22代目当主として知られています。彼は天明元年（1781年）に、第9代藩主である九鬼隆張の長男として江戸に生まれ、その生涯を通じて藩の政治や文化に大きな影響を与えました。

生涯の始まり

隆国は寛政10年（1798年）2月6日に父の隠居を受けて藩主に就任しました。彼が藩主となった際、すでに若い頃からさまざまな役務を担っており、翌年には叙任されました。彼の政治手腕は評価される一方で、勅使饗応役や奏者番に就任することで新たな財政負担が生じ、藩財政は厳しい状況に陥りました。

外様大名としての役割

外様大名であった隆国は、幕府の儀式や典礼を扱う要職である奏者番に任じられ、その後、天保10年（1839年）には城主格に昇格しました。この昇格は、阿波国の大名・蜂須賀家から正室を迎え入れた事や、藩内での人事や行事において彼が果たした役割に起因するとも言われています。

ルネサンスが進む中で、彼は藩内の教育方針にも目を向け、京都から近藤顧一郎を招いて藩校である国光館を造士館へと発展させました。このことは、藩の文化や学問の振興に寄与し、次世代の人材を育成する基盤を築くことにつながります。

隠居とその後

天保14年（1843年）6月19日、隆国は長男の隆徳に家督を譲り、隠居生活に入ります。彼はこの際、「南嶽」と号し、余生を穏やかに過ごすこととなります。しかし、その2年後、嘉永5年（1852年）12月15日には72歳でその生涯を閉じました。隆国の死去は藩士や領民に惜しまれ、彼の政策や文化的な貢献は今尚、その記憶に留まっています。

まとめ

九鬼隆国は、摂津三田藩において重要な役割を果たした藩主であり、彼の治世は藩の政治、経済、教育において大きな影響力を持ち続けました。藩政における取り組みは後世に引き継がれ、彼の存在は藩内外に深く根付いています。

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