乾正厚

乾正厚の生涯と業績

乾 正厚（いぬい まさひろ、生年未詳 - 明治3年5月25日）は、土佐藩士として知られ、数多くの重要な役職を歴任した人物である。彼は、土佐藩の藩士本山彦弥茂良の嫡男であり、家禄は28石8斗に及んだ。

生い立ち

乾正厚は文政4年7月28日（1821年8月25日）に生を受け、本山茂良の嫡男として育った。彼の幼名は楠弥太であり、後に乾正春の養子となり、土佐藩に仕官することとなる。正厚は、実家の本山家から分家し、乾家に移ることで、家業を継ぐという役割を負った。

藩主への奉仕

彼の正式な養子入りは文政13年11月24日（1831年1月7日）に発表され、以降、乾正春の跡を継いで正式な藩士として藩主に仕えることとなった。天保時代、彼はさまざまな役職を通じて土佐藩の政治と軍事に深く関与する。

正厚は敏衛様や郁松様に奉仕し、役料米を受け取ることで、藩の運営に寄与した。彼は職務をこうむりながら、江戸を含むさまざまな場所で移動を繰り返す。

京都における活動

文久3年（1863年）、元治元年（1864年）と続く京都での在勤において、彼は新たな役職や任務を連続的に受けた。特に京での小目付役としては、長州藩の動向に関与し、禁門の変においては、その軍備御用として重要な役割を果たした。同年の長州藩の動きに対抗するため、彼は佐幕派として内外で奔走し、会合を重ね、結果として朝廷に対して長州藩除外の意見を持ち込む。

慶応から明治への移行

慶応元年（1865年）以降も、彼は土佐藩の中で積極的に様々な職務を担当し続けた。その後、薩摩藩との連携を深め、討幕密約に関与することで、明治維新の波に乗ることとなった。彼の活動は、土佐藩から新たな政治体制への移行に不可欠なものであった。

家族と後継

乾正厚は無嗣子だったため、板垣退助の次男である板垣正士に家を継がせることとした。彼の家族関係には、実弟の本山茂邁や義兄弟など、政治家や藩士との結びつきがあったことが窺える。

まとめ

1870年6月23日に亡くなった乾正厚は、その生涯を通じて土佐藩の歴史に刻まれる重要な役割を果たした。その生い立ちから維新に至るまでの政治的並びに軍事的活動は、幕末から明治にかけての日本の歴史に深い影響を与えている。彼の人生は、藩士としての忠誠心と政治的才覚の象徴であり、歴史に名を刻む存在であった。

もう一度検索