板垣正

板垣正略歴

板垣正（いたがき ただし、1924年7月1日 - 2018年12月9日）は、日本の政治家で、自由民主党に所属し、参議院議員として長年にわたり活動しました。彼は日本遺族会の顧問や日本会議の代表委員をつとめ、その政治的影響力を広げていきました。父である板垣征四郎は日本陸軍の将官であり、政治的活動にも多大な影響を与えた人物です。

学歴と初期の活動

板垣は永田町小学校（現在の麹町小学校）、成城中学校を経て、1945年に陸軍航空士官学校を卒業しました。その後、シベリアに抑留されるという辛い経験を積むことになります。1950年に帰国後、彼は日本共産党に入党しましたが、父の死去を受けた「民主運動」に参加したためのものであり、1954年には脱党し、政治的方向性を変えることとなりました。

1955年3月には中央大学法学部を卒業し、本格的に政治の世界に足を踏み入れる準備を整えました。1957年に日本遺族会に加入し、企画部長を経て、1972年から1980年まで事務局長として活動しました。

政治家としてのキャリア

1980年、板垣は自由民主党から参議院議員選挙に出馬し、見事に当選を果たします。彼はその後、3期にわたり参議院議員として活動し、内閣委員長や対外経済協力に関する小委員長、沖縄開発政務次官を歴任しました。また、自由民主党内の保守派議員連盟である「明るい日本」の事務局長もつとめ、党内での発言力を高めました。

彼は議員の職務に専念する一方で、日本遺族会の事務局長職からは退いたものの、顧問としての立場を維持し続けました。特に、首相の靖国神社公式参拝を強く要請したことは、彼の活動の中で特筆すべき事例となっています。

引退後の活動

政界を引退後も、板垣は保守派の論客として活動を続けました。特に、米下院121号決議に反対する意見を表明し、アメリカ大使館へ提出された抗議書にも名を連ねるなど、国際政治にも関心を持ち続けました。また、映画『南京の真実』の支援者としても知られ、歴史問題への積極的な対応が目立ちました。

また、板垣は田中正明との親交が深く、田中の葬儀では委員長を務めるなど、個人的な絆が政治的活動においても影響を及ぼしていることが伺えます。田中の後任として「興亜観音を守る会」の第二代会長も務めました。

2012年9月には、安倍晋三を支持する民間人有志の会を発足し、その声を政治に届ける活動も行いました。こうした行動は、自身の政治的立場を一層確固たるものにする要因となりました。

晩年

2018年12月9日に94歳で死去した板垣正。死後、正四位が叙位され、旭日重光章が追贈されました。政治家としての彼の業績は、後の世にも大きな影響を及ぼすものとされています。特に保守派の政治活動における彼の影響力は、今なお語り継がれています。

主な著作

板垣正は、様々な著作を残しています。代表的な著作には、『この叫び 父の胸にとどけ』（1950年）、『声なき声 250万英霊にこたえる道』（1978年）、『靖国公式参拝の総括』（2000年）などがあり、彼の思想や信念が色濃く反映されています。

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