亀ヶ岡遺跡

亀ヶ岡遺跡の概要

亀ヶ岡遺跡（かめがおかいせき）は、青森県つがる市木造に位置する縄文時代晩期の集落の跡です。この遺跡は国の史跡に指定されており、出土した土偶や土面、注口土器は重要文化財として扱われ、多くの歴史的価値を持っています。特に1887年には有名な遮光器土偶が発見され、2021年には「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録されることとなりました。

遺跡の発見と特徴

亀ヶ岡遺跡は、津軽平野の丘陵の端に位置し、周辺には湿地帯が広がっていることが特徴です。この地域では1622年、津軽藩の藩主である津軽信枚が亀ヶ岡城を築こうとした際に、土偶や土器が発見されたことが遺跡の発見につながりました。しかし、一国一城令が発布され、築城の計画は中断されました。亀ヶ岡という地名は、「甕が出土した丘」という意味があるとも言われています。

江戸時代には、亀ヶ岡から発掘された遺物は「亀ヶ岡物」として好事家に珍重され、ついにはオランダにまで流通することとなります。発掘された土器の数は1万を超え、その多くが勝手に持ち去られてしまったとされています。

発掘調査の進展

明治時代になると、遺跡の発掘が継続され、1887年には遮光器土偶が登場しました。1889年には正式な学術調査が始まり、1895年の調査では日本で初めて泥炭化した遺物の層が発見されるなど、重要な成果を上げました。戦後には、支谷の低湿地遺物包含層についての発掘調査が行われ、1980年には丘陵と谷間の調査によって多くの遺物が出土しました。大きな発見の一つとして、遮光器土偶や各種土器、石器、木製品、漆器などがあり、土壙跡も発見されましたが、生活の跡や遺構についてはまだ発掘されていません。近年は無断での発掘が禁止されています。

展示と文化財

亀ヶ岡遺跡から出土した多くの遺物はつがる市縄文館で展示されています。この館は、津軽信枚が亀ヶ岡城のために設けた「大溜池」の近くに位置し、遺跡の発掘物を多く収蔵しています。特に有名なのは遮光器土偶で、1957年に重要文化財に指定され、その後は東京国立博物館で保管されています。

縄文時代晩期の遺物は、亀ヶ岡文化と呼ばれるスタイルを持ち、北海道から近畿にかけて広く流行しました。

今では、亀ヶ岡遺跡からの出土品が、多くの研究者や文化愛好家にとって価値ある資料として注目されています。遺跡自体は、大切な文化財として今後も保護されていく必要があります。そして、亀ヶ岡の歴史が未来へとつながるための教育や研究が続けられています。

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