亀山島

亀山島：神秘的な火山島

亀山島は、台湾の宜蘭県頭城鎮から東へ約10kmの太平洋上に位置する火山島です。その名の由来は、海に浮かぶ姿が亀に似ていることから。東西約3.3km、南北約1.7km、面積約2.841平方キロメートルの島内には、火山活動によって形成された独特の地形や景観が広がっています。

火山活動と地形

亀山島は活火山であり、過去には噴火の記録も残っています。現在でも温泉や硫黄の噴出が見られ、その活動を間近に感じることができます。島の最高地点は401高地と呼ばれ、展望台からは周囲の海や海岸線を一望できます。切り立った崖や海蝕洞も多く、自然の力強さを感じさせる景観が特徴です。

湖と生態系

島内には、亀首湖と亀尾湖という2つの湖があり、それぞれ独自の生態系を育んでいます。また、温泉や冷泉も湧き出ており、多様な生物が生息する環境を形成しています。海底温泉の周辺には、硫黄を食べる固有種の「烏亀怪方蟹」が生息していることでも知られています。沿岸部には、カジキやマグロなどの魚類、ハシナガイルカやマダライルカなどのイルカを含む小型鯨類も豊富に生息しています。

歴史と観光

史料によると、1853年に初めて入植者が移住しましたが、過疎化が進み、1977年には軍事演習場として指定され、住民は強制移住を余儀なくされました。その後、1999年に観光地として一部開放され、2000年からは全面的に観光客の受け入れを開始しました。現在は、烏石港から定期船が運航されており、気軽にアクセスできます。

亀山島十二奇景

清代には「亀山朝日」をはじめとする八大奇景が、観光地化後には新たな四風景が発見され、合わせて「亀山島十二奇景」として知られています。特に「亀山朝日」は、日の出の名所として人気を集めています。ホエールウォッチングや海蝕洞を巡るツアーも人気があり、海からの景色も楽しめます。

上陸制限と注意点

亀山島への上陸は、自然保護の観点から事前申請が必要です。上陸可能期間は3月から11月までで、時間や人数にも制限があります。島内での釣りや焚き火、動植物の採集などは禁止されています。また、天候によっては上陸が禁止される場合もあります。

まとめ

亀山島は、火山活動によって形成された独特の地形、豊かな自然、そして貴重な生態系が魅力の島です。上陸には制限があるものの、その神秘的な姿は多くの人々を魅了し続けています。台湾を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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