亀徳しづ

亀徳しづの生涯と業績

亀徳しづ（きとく しづ）は、およそ140年前の1878年に和歌山県で生まれ、青森県八戸市で助産師として活躍した女性です。彼女は、日本聖公会の伝道師である松下一郎の長女として成長し、東京の立教女学校で学びました。この学びの場から、彼女の人生が大きく変わることになりました。

青森での生活と家族

亀徳は、卒業後に父の赴任地である青森県八戸町に移り住みました。そこで、亀徳正栄と結婚し、二人の子を授かることになります。そのうちの一人、次男の松下正寿は後に立教大学の総長という重要な職に就くことになりますが、亀徳の人生もまた厳しさを伴ったものでした。

そうした中で、夫が突然出奔し、亀徳は二人の子供を育てながら生計を立てなければならなかったのです。この出来事が、彼女の助産師としての道を開くきっかけとなります。

助産師としての道

亀徳は25歳のころ、助産婦としての職業を志しました。1906年に八戸の番町に助産院を設立し、助産の技術を地域に提供し始めます。1908年には、八戸産婆会を設立。彼女は、近代的な助産技術の普及に尽力し、その姿勢から地元の人々には「西洋産婆」と呼ばれるようになりました。このような称号が示すように、亀徳は当時の伝統的な助産術に新たな視点をもたらしました。

教会への貢献

亀徳は地域社会への貢献も忘れませんでした。1934年には、八戸聖ルカ教会の礼拝堂が新築される際にリードオルガンを寄贈します。このような彼女の行動は、信仰心の深さや地域への愛情を物語っています。彼女の寄贈したリードオルガンは、今もなお教会に残されており、亀徳の思い出を語り継いでいます。

文学とそしてメディアへの影響

亀徳しづの人生は、文学にも影響を与えました。小説家の三浦哲郎は、彼女をモデルにした小説『しづ女の生涯』を執筆しました。この作品は1981年に昼の連続テレビドラマ『しづの生涯』として放送され、多くの人々に彼女の偉業が知られるきっかけとなりました。

終わりに

亀徳しづは、青森県八戸市で助産師として多くの人々に支えられ、地域の健康に寄与してきました。彼女の努力と情熱は、今なお多くの人々の心の中に生き続けています。1966年に亡くなるまで、彼女の生涯は多くの人に影響を与え、その名は今日まで語り継がれているのです。

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