亀田得治

亀田 得治（かめだ とくじ）

亀田得治は1912年8月14日に北海道旭川で生まれ、後に石川県金沢市で成長しました。彼の学びの場は金沢の第四高等学校であり、ここでは後に日本社会党委員長となる成田知巳と同じクラスメイトとなり、学業においては競争相手でした。二人は共に東京帝国大学法学部に進学しましたが、この大学での経験は彼に社会運動への関心を持たせるきっかけとなりました。

大学在学中、亀田は社会運動家の賀川豊彦と出会い、彼からキリスト教の洗礼を受けました。この宗教的な体験は、後の彼の人生において重要な役割を果たしました。賀川と出会ったことで、治安維持法違反の疑いで保釈中だった岩本りえとも交わることになり、やがて結婚に至ります。戦争中は小作争議に関与するなど、弁護士としての活動を続けました。

1946年、亀田は日本社会党に入党し、1951年の党の分裂の際には大阪府連合の書記長として左派に属しました。その後、1953年の参議院選挙で大阪地方区から立候補し見事当選、以降18年間にわたり議員として活動しました。議会の中で、彼は同志である成田や日本共産党の村上弘と共に、社共共闘の推進に尽力し、多くの選挙において成功を収める手助けをしました。

しかし、1980年に社会党と公明党の連立政権構想に合意した社公合意に不満を抱き、亀田は社会党を離党しました。以降は無所属で革新統一運動に注力し、全国革新懇の代表世話人に就任します。1983年の大阪府知事選挙では革新の立場からの立候補を果たしましたが、当時の社会党や自民党、公明党、民社党の推薦候補に敗れる結果となりました。

離党後も亀田は、社会党が右傾化する中でその問題点を提起し続けました。彼は土井たか子委員長に対して『拝啓土井たか子殿　革新の心を洗う』と題する著書を発表し、影響力を発揮しました。このように彼は自身の信念を貫き、社内外に警鐘を鳴らし続けました。

最終的に亀田得治は1994年3月14日に81歳で死去しました。彼の人生と活動は、戦後日本の政治史において忘れられない足跡を残しています。彼の著作には、社会運動や政治的信念に関する深い見識が詰め込まれています。

著書

• - 『拝啓土井たか子殿　革新の心を洗う』未來社、1988年。
• - 『亀田さんとりえさんからの手紙　革新の心・人間の礎』シーアンドシー・労働旬報社、1992年。

亀田得治という政治家は、ただ一人の議員ではなく、戦後の社会状況に対して大きな影響を与えた革新思想の体現者でした。

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