事務管理コード

国鉄時代の事務管理コード：運行管理を支えた6桁の数字

国鉄時代、駅の業務を円滑に進めるために使用されていたのが「事務管理コード」です。旅客営業取扱基準規程では「コード番号」と呼称され、駅番号、事務管コードなどとも略されました。本稿では、この事務管理コードと、関連するコード番号について詳細に解説します。

事務管理コードの概要と使用例

事務管理コードは、旅客が直接目にする機会はほとんどありませんでした。マルスシステムや自動券売機などでは表示されず、主に補充券などの発行時に使用されていました。

具体的には、旅客営業取扱基準規程第199条（補充片道乗車券の発行方）など、各種補充券（補充往復乗車券、補充連続乗車券、補充定期乗車券、特別補充券など）の発行において、事務管理コードの記載が規定されていました。他の補充券でも、事務管理コードを記載して常備式にするケースもありました。

ただし、特別補充券を除き、旅客に交付される乗車券（甲片）には記載されず、鉄道会社内部で使用される控え（乙片）にのみ記載されていました。そのため、旅客が直接事務管理コードを確認できるのは、特別補充券の発行時のみとなります。

1984年時点における事務管理コードの構成

国鉄時代の事務管理コードは6桁の数字で構成されていました。それぞれの桁には、以下の情報が含まれていました。

1桁目: 国鉄9支社時代の区分を示す番号
2桁目: 鉄道管理局を示す番号
3, 4桁目: 駅の所属路線を示す番号
5, 6桁目: 駅番号。下り方面に通し番号で割り当てられていましたが、新駅開業などで連続性が失われている場合もありました。

特定コード番号

特定都区市内制度（旅客営業規則第86条）、東京山手線内（旅客営業規則第87条）、新大阪・大阪発着（旅客営業規則第88条）など、特定の地域における乗車券発行には、専用のコード番号（特定コード）が使用されていました。

その他のコード番号

補充券発行時には、発駅や着駅のコード番号に加え、経由駅や接続駅のコード番号も記入する必要がありました。甲片は旅客に交付され、乙片は支社等の電算処理担当箇所長または情報システム室長に提出されました。

経由駅コードに関しては、旅程186条に従い、経由線名を表示する場合は経由線中の主要駅コード番号を、経由駅名を表示する場合は当該駅コード番号を経由欄下段に記入する規定がありました。新幹線や連絡会社線、自動車線の経由（通過）の場合には、以下のコードが使用されました。

新幹線経由：「9－－－－－」
連絡会社線・自動車線経由：「8－－－－－」
のぞみ号・はやぶさ号：「5－－－－－」
グランクラス利用：「6－－－－－」

接続コードと貨物取扱駅コード

連絡運輸の接続駅には、4桁の接続コードが付与されていました。また、貨物取扱駅にも4桁の貨物取扱駅コードが存在し、旅客用の事務管理コードとは1桁目以外の関連性はほとんどありませんでした。旅客用の事務管理コードはJR西日本管内と関連区間を除き、ほとんど公開されていませんでしたが、貨物取扱駅コードは『貨物時刻表』で公開されていました。

まとめ

事務管理コードは、国鉄時代の運行管理において重要な役割を果たしていました。旅客は直接目に触れる機会は少ないものの、補充券などの発行や、複雑な経路の乗車券発行において不可欠な存在でした。これらのコードは、国鉄時代の鉄道運行の複雑さと詳細な管理体制を反映しています。現代のシステムとは異なる、アナログ的な情報管理の仕組みの一端を垣間見ることができるでしょう。

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