二世西川鯉三郎

二世西川鯉三郎とは

二世西川鯉三郎（にせい にしかわ こいさぶろう）は、1909年12月27日に東京で生まれ、1983年7月31日に亡くなった日本舞踊の著名な舞踊家です。本名は近藤茂で、旧姓は星合茂でした。名古屋西川流の二世家元として広く知られていますが、初代西川鯉三郎とは血縁関係はありません。彼は、名古屋をどりを初めとした舞踊の世界で、その独特なスタイルと技術で重要な存在となりました。

生涯の軌跡

二世西川鯉三郎は、父親の影響を受けて非常に若いころから舞踊に目覚めました。1917年、自身の舞踊の師匠となる6代尾上菊五郎に入門し、その後、6代藤間勘十郎の下で舞踊を学びました。彼は舞台での活躍を始めると、特に1923年の「新歌舞伎十八番の内鏡獅子」での胡蝶役に起用され、大きな注目を集めました。当初は反対されることもありましたが、6代尾上菊五郎の強力な支持を受け、子弟の枠を超えた演技が新たな伝説を生むこととなりました。

1928年には「七曜座」を結成するも、1929年には6代尾上菊五郎に破門されることとなりますが、1933年には再び許されて舞踊の道を続けました。また、1936年には名古屋で二代目西川鯉三郎を襲名し、名古屋西川流の二世家元としての活動が本格化します。

舞踊活動の舞台裏

彼の舞踊人生は常に新たな挑戦に満ちていました。1945年9月、名古屋をどりがスタートすると、その独創的な衣装や演出に対する賛否が巻き起こり、舞踊の新しい地平を切り開く立役者となりました。1955年には、名古屋流舞踊会で出演し、6代尾上菊五郎直伝の「鏡獅子」を披露しています。

彼の指導する生徒には初代水谷八重子や京マチ子など多くの名立たる舞台人がいます。その後、名古屋市中区本重町から瑞穂区に稽古場を移転し、舞踊の保存と継承に向けた活動を続けました。また、1975年にはNHK古典芸能鑑賞会に出場し、多くの観客に感動を与えました。

最後の舞台と遺産

1980年の舞台で踊ったのが最後の公演であり、1983年にはパーキンソン病により惜しまれつつ他界しました。享年73歳でした。彼の舞踊スタイルや教えは、今なお多くの舞踊家に受け継がれています。特に、女形を得意としていた彼は、喜撰や傀儡師、山姥など多様な役柄を素踊りで演じ、独特の存在感を放っていました。また、彼の振付による作品は、後世に多大な影響を与えています。

人物像と影響

西川鯉三郎は、歌舞伎界との関わりも深く、17代目中村勘三郎や2代目尾上松緑らとの友好関係も築いていました。彼は生涯を通じて、彼らとの交流や共演を通じて日本舞踊の発展に寄与しました。

彼に関する記録やエピソードは、多くの文献に残されており、特に舞踊における貢献は高く評価されています。舞踊が持つ美と技を融合させたそのスタイルは、現代においても多くの人々に愛され続けています。

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