西川流

西川流の概要

西川流（にしかわりゅう）は、日本舞踊の中で最も古い流派の一つで、東京都新宿区に本部を構える一般財団法人がその運営を行っています。この流派は、代々「西川扇藏」という名前を名乗る家元によって受け継がれており、現在は十世西川扇藏がその伝統を守り続けています。彼は、歌舞伎の舞踊において重要無形文化財の指定を受けている人間国宝でもあります。また、流派名の「西川流®」やそのシンボルマークである西菱「人菱」は商標登録されています。

興りと歴史

西川流の起源は元禄時代、すなわち1700年代にさかのぼります。この流派は初代の西川仙蔵によって設立され、彼は元旗本であり、能の囃子方から歌舞伎の鳴物師へと転身した後、振付師として西川流を創立しました。彼の弟子である二代目は「扇藏」と名を変え、江戸の三座で振付師として名を馳せました。関の扉などの名作を手がけるなど、その名声を高めていきました。

その後、宗家の名は代々「西川扇藏」と受け継がれ、四代目には「勧進帳」などの名振付を手掛けて名人と称されるまでになりました。流派は一時衰退しましたが、十世西川扇藏の努力によって再び繁栄を取り戻しました。彼は1999年に人間国宝に選ばれるなど、その功績が評価されています。また、1990年には公益財団法人日本舞踊振興財団を設立し、日本舞踊の伝承を促進する活動にも力を入れています。

定紋と分派

西川流の定紋である「西菱」は「人菱」と呼ばれています。この紋は、流派内で他にも似た紋を用いている分派も存在しますが、方向が異なるために識別可能です。他の西川流分派の流紋は逆向きの「入菱」となっており、流派の正当な位置付けを明示しています。

また、西川流から独立した多くの分派があります。これらの流派は西川流とは無関係ですが、高名な西川扇藏を家元とした宗家から派生した事実があります。代表的な分派には、花柳流、七々扇流、正派西川流、名古屋西川流、新西川流、西川流鯉風派などがあります。特に名古屋西川流は「西川流」と略称され、その名称が紛らわしいため注意が必要です。流紋の異なる点からも、彼らは全く別の流派であることが分かります。

結論

日本の舞踊において、西川流はその伝統を色濃く保ちながら、現代に至るまでの継承が続けられています。五大流派にも数えられるこの流派は、正統な古典芸能の象徴として、多くの舞踊家に影響を与えています。今後もその伝統が未来へと引き継がれていくことが期待されます。

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