二二八和平公園

二二八和平公園は、台北市中正区に位置する歴史と文化が深く交錯する公園です。その起源は日本統治時代の台北新公園に遡り、台湾における最初のヨーロッパ風近代的都市公園の一つとして開園しました。

歴史的背景

公園の地は、元々1888年に建てられた台北天后宮（媽祖廟）があるだけの荒地でした。日本統治時代に入ると、当局は都市計画に基づき、この地に大規模な公園建設を決定。1899年に工事が始まり、1908年に初期の完成を迎えました。1913年には、公園南側にあった天后宮が取り壊され、その跡地に「児玉総督後藤民政長官記念館」（現在の国立台湾博物館）が建設されました。

1935年には、台湾博覧会の主会場の一つとなり、公園内には台北天満宮社も建立されました。しかし、この地は後に歴史の転換点となる出来事の舞台となります。

二・二八事件と平和公園への転換

第二次世界大戦後、台湾が中華民国に接収された1947年、二・二八事件が勃発。公園は事件の中心地の一つとなり、台湾住民が旧台湾放送協会本部（現在の台北二二八紀念館）を占拠し、蜂起を宣言しました。この事件を深く記憶するため、1996年、当時の台北市長陳水扁（後に中華民国総統）は、犠牲者を追悼する二二八和平紀念碑を建立し、公園の名称を二二八和平紀念公園に改めました。

公園内の施設

現在の二二八和平公園には、以下の施設があります。

• - 国立台湾博物館: 日本統治時代に建てられた歴史的建造物で、台湾の自然や歴史に関する展示を行っています。
• - 台北二二八紀念館: 二・二八事件の舞台となった旧台湾放送協会本部で、事件に関する資料を展示しています。
• - 二二八和平紀念碑: 事件の犠牲者を追悼するための記念碑です。
• - 台湾広播電台放送亭: かつての放送局の面影を残す施設です。
• - 鉄道蒸気機関車展示: 台湾の鉄道史を物語る蒸気機関車を展示しています。特に、台湾総督府鉄道1形蒸気機関車一号機「騰雲号」は必見です。
• - 野外音楽堂: 公園内で音楽イベントなどが開催される場所です。

また、台北二二八紀念館の前にある「追思廊」では、二・二八事件の背景や経緯が分かりやすく説明されています。紀念館が閉館している時間帯でも、事件に関する情報を得ることが可能です。

周辺施設と交通

二二八和平公園の周辺には、中華民国総統府、外交部、国立台湾大学医学部附属病院、台北賓館などがあります。交通アクセスは、台北捷運新店線台大醫院駅が最寄りで、公共交通機関でのアクセスも便利です。

公園が語る歴史と平和

二二八和平公園は、単なる都市公園ではなく、台湾の歴史と平和を象徴する場所です。過去の出来事を記憶し、平和への願いを込めたこの公園は、多くの人々に訪れてほしい場所の一つです。

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