二人の擲弾兵

『二人の擲弾兵』（ふたりのてきだんへい、Die beiden Grenadiere）は、ドイツの作曲家ロベルト・シューマンが1840年に作曲した歌曲で、作品49『リートとロマンス第2集』の第1曲として知られています。この曲は、ドイツ・ロマン派の詩人ハインリヒ・ハイネの詩に基づいており、シューマンが『歌の年』と呼んだ年に作曲されました。

同年にリヒャルト・ヴァーグナーも、フランソワ＝アドルフ・ルーヴ＝ヴェイマルによるフランス語訳を基に同名の歌曲を作曲しており、両作品にはフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』の引用という共通点があります。

概要

この歌曲は、ナポレオン戦争終結後、ロシアでの捕虜生活を終えて故郷フランスへ帰る二人の擲弾兵の物語を描いています。彼らは旅の途中、皇帝ナポレオン1世が囚われたという知らせを受け、その衝撃的なニュースに対する二人の会話が物語の中心となっています。シューマンの楽曲としては、ドラマティックな構成が際立っており、特に後半部分では『ラ・マルセイエーズ』のメロディーが効果的に用いられています。シューマンの音楽は一般的に内向的な性格を持つとされていますが、この曲はそうした傾向から大きく離れ、音楽的な効果を追求した作品として、現在でも頻繁に歌われています。ハイネの詩は、必ずしも最高傑作とは評されないこともありますが、多くの人に愛され、親しまれてきました。また、夏目漱石が第一高等学校在学中にこの詩を文語体で翻訳（あるいは翻案）したことでも知られています。

歌詞

ハイネが1820年に書いたこの詩は、二人の兵士の心情を深く描写しています。夏目漱石による訳詞もまた、詩の持つ感情を巧みに表現しています。

Die Grenadiere　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 二人の武士（もののふ） 西詩意譯

脚注

関連項目

フランスの国歌
ナポレオン戦争

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