二式陸上中間練習機

二式陸上中間練習機について

二式陸上中間練習機（にしきりくじょうちゅうかんれんしゅうき）は、第二次世界大戦中期に日本海軍で使用された航空機です。この機体は、九州飛行機によって開発・製造され、機体略番はK10Wと呼ばれています。また、連合軍からは「Oak」というコードネームでも知られています。

開発の背景

第二次世界大戦が進行する中、九三式中間[[練習機]]の性能が旧式化してきたことから、日本海軍は新たな練習機の開発を急務としました。昭和13年には、ノースアメリカンNA-16という機体を試験評価のために輸入し、その成果をもとに新型の練習機を開発するよう渡辺鉄工所（後の九州飛行機）に指示が出されました。このNA-16は、映画『ハワイ・マレー沖海戦』にも登場し、私たちにとっても馴染み深い存在です。

設計と仕様

二式陸上中間練習機の設計は昭和15年1月に開始され、昭和16年4月に第1号機が完成しました。機体は金属製のモノコック構造を採用し、低翼単葉機として設計されています。エンジンの出力は九三式中間[[練習機]]を大幅に上回り、飛行性能も向上していましたが、当初の飛行試験においては、縦安定性の不足や突如としての錐揉み状態になるなど、多くの課題が挙げられました。これらの問題点を受け、渡辺飛行機では垂直尾翼の面積を増加させるなどの改修が行われました。

しかし、この改修には時間がかかり、制式採用は初飛行から2年以上経って、昭和18年6月となりました。生産については、日本飛行機により行われましたが、すでに前線からは旧式化した単葉機が中間練習機として再利用される状況にありました。

役割の変化と評価

戦争が進むにつれて、各国の戦闘機の性能が飛躍的に向上したため、従来の練習機クラスの機体では対応が難しくなりました。これにより、初等訓練には性能過剰な機体が使われ、大戦後期の主力機とは性能に大きな差が生じることが広まりました。その結果、二式陸上中間練習機の必要性は薄れつつあり、安定性や操縦性、実用性の点では九三式中間[[練習機]]の方が優れているという意見が多く、現場では九三式が好まれる傾向にありました。

生産された機数は176機であり、終戦時にはそのうちの78機が残存していたとされています。このことは、二式陸上中間練習機が期待された性能を発揮できなかったことを物語っています。

機体仕様

• - 全幅: 12.36 m
• - 全長: 8.83 m
• - 全高: 2.84 m
• - 全備重量: 2,038 kg
• - エンジン: 中島 寿2型改2 空冷星型9気筒（600 hp）
• - 最大速度: 282 km/h
• - 航続距離: 830 km
• - 実用上昇限度: 6,770 m
• - 武装: 7.7mm機関銃×1
• - 乗員: 2名

まとめ

二式陸上中間練習機はその製造から使用まで多くの課題を抱えた機体であり、戦争の進展によりその必要性が低下していきました。その歴史と技術的な側面は、当時の航空技術の変遷を理解する上での重要な要素となっています。

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