二式高等練習機

二式高等練習機について

二式高等練習機（にしきこうとうれんしゅうき）は、第二次世界大戦時の大日本帝国陸軍が使用した練習機で、試作名称は「キ79」として知られています。一般的には「二式高練」と呼ばれています。この機体は、満州飛行機によって開発・製造され、当初は旧式化した九七式戦闘機を基にした高等練習機として設計されました。

概要

1940年、陸軍は劣化が進んでいた九七式戦闘機を活用し、新たな単座と複座の高等練習機へと置き換える計画を遂行しました。このプロジェクトは、陸軍航空工廠と満州飛行機による共同開発のもと、1941年に試作1号機を完成させ、さらに1942年1月に二式高等練習機として正式に採用されました。

九七式戦闘機からの主な改良点には、エンジンの馬力を抑えたこと、重心位置の見直し、プロペラの変更、そして開放型キャノピーへの切り替えが含まれます。仕様には、単座の甲型と複座の乙型が一般的でしたが、丙型と丁型も存在し、試作段階で終わったのが特徴です。結果的に、生産された総数は3,710機にのぼり、1945年には木鋼製の試作機も1機が製造されました。

この高等練習機は、九七式戦闘機の優れた操縦性能を受け継いでいたため、その操作性の良さから部隊から高く評価されました。整備の容易さもあって、戦争が続く中での生産が継続されました。特に大戦末期には、特攻機としての役割を果たす機体も存在していました。また、国内での航空攻撃に対してアメリカ軍機の迎撃に使用されたこともあります。

1945年2月16日、二式高等練習機は千葉県の横芝陸軍飛行場でアメリカの海軍第58機動部隊の艦載機に対し迎撃を行いました。この際、戦死者は5名を出したものの、F6F-5戦闘機1機を撃墜する成果を上げました。このような戦果は、かつてノモンハン事件や太平洋戦争で活躍したエース・パイロット、升澤正利少尉の機体によるものであるとされています。

現在、二式高等練習機の現存機はインドネシアのサトリア・マンダラ博物館に展示されており、戦後のインドネシア独立戦争で使用された記録が残されています。

スペック

• - 全長: 7.85 m
• - 全幅: 11.5 m
• - 全高: 3.28 m
• - 主翼面積: 18.56 m²
• - 全備重量: 1,300 kg
• - エンジン: 日立 ハ13甲 空冷単列星型9気筒エンジン 510 hp/2300 rpm（離昇） ×1
• - 最大速度: 340 km/h
• - 航続距離: 920 km
• - 乗員: 1〜2 名
• - 武装: （型によって異なる）7.7 mm機関銃（八九式固定機関銃）×1〜2

関連項目

• - 練習機の一覧
• - 練習機

もう一度検索