二木ゴルフ

二木ゴルフ

「二木ゴルフ」（にきゴルフ）は、ゴルフ用品の販売を専門とするチェーンストアです。関東地方を主要な地盤としつつ、北海道から福岡県まで全国へと店舗網を拡大しています。本社機能は東京都板橋区清水町に置かれ、営業活動の中心となる営業本部は東京都北区赤羽一丁目にあります。また、その創業の地であり、現在も本店が構えられているのは、東京都台東区上野六丁目のアメヤ横丁（アメ横）です。

この企業の起源は、1947年（昭和22年）に二木源治氏が板橋で立ち上げた「二木食品工業所」に遡ります。これは菓子の製造と行商を営む事業でした。1949年（昭和24年）にはアメ横に進出し、菓子の小売業および現金問屋として発展を遂げます。その創業から四半世紀を経た1973年（昭和48年）、「二木の菓子」内に新たにゴルフ事業部が設けられ、ゴルフ用品の販売が開始されました。これが現在の二木ゴルフの直接的な始まりであり、アメ横には第1号店が開業しています。

ゴルフ事業は順調に拡大し、わずか6年後の1979年（昭和54年）には「株式会社ワールドスポーツエンタープライズ」として母体から独立した法人となりました。この時に「二木ゴルフ」という商標が使用され始めます。その後、1994年（平成6年）には社名が現在の「株式会社二木ゴルフ」に変更され、1999年（平成11年）には二木正人氏が社長に就任しました。

株式会社二木ゴルフは、ゴルフ用品の販売を核とする事業を展開しており、最新のゴルフクラブやウェア、アクセサリーなど幅広い商品を取り扱っています。加えて、ゴルフ場の予約サービスなども提供していますが、事業内容は一貫してゴルフ関連に特化しており、それ以外の分野には進出していません。創業のきっかけとなった菓子事業の「二木の菓子」から派生した企業ですが、今日ではその店舗網の広がりや売上規模において、かつての母体を凌駕するほどの規模へと成長を遂げています。

企業としての認知度向上にも力を入れており、テレビコマーシャルを積極的に展開しています。歴代のCMキャラクターには、初代林家三平、林家こん平といった落語家が出演し、現在は9代目林家正蔵氏が起用されています。特に、9代目林家正蔵氏が出演するCMで使用されているコマーシャルソングは、彼の趣味であるジャズのスウィングとゴルフのスイングをかけたユニークな内容が特徴です。このバージョンは1993年に収録された旧バージョンが長年使用されていましたが、2002年に撮り直された新バージョンが現在放映されています。

また、ゴルフ関連の番組提供も行っていました。2010年4月からはTOKYO MXで、少年隊の錦織一清氏をホストに迎えた一社提供のゴルフ番組『二木ゴルフ Presents ニッキゴルフ』を放送。2011年4月からはリニューアル版として『真・ニッキゴルフ』が放送されていました。これらの番組は、一般的なゴルフ番組とは異なり、二木ゴルフが扱う様々なゴルフ用品を紹介するコーナーに多くの時間が割かれるという、ショッピング番組に近い特徴を持っていました。

このように、二木ゴルフは菓子事業から生まれた一事業部が独立・成長し、現在では全国的なゴルフ用品専門チェーンストアとして確固たる地位を築いています。その歴史、事業展開、そして特徴的な広報活動は、日本の小売業界におけるユニークな事例の一つと言えるでしょう。

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