アメヤ横丁

アメヤ横丁：戦後闇市から発展した活気あふれる商店街

アメヤ横丁（アメよこちょう）は、東京都台東区御徒町駅と上野駅間に位置する、約500～600メートルに渡って400店以上の店舗が並ぶ活気溢れる商店街です。正式名称はアメ横商店街連合会ですが、「アメ横」の愛称で親しまれ、多くの人々から親しまれています。

由来：飴とアメリカ進駐軍

アメヤ横丁という名前の由来には諸説あります。一つは、戦後、砂糖が不足していた時代に、中国からの引揚者が飴を販売したことから「飴屋横丁」と呼ばれるようになったという説。もう一つは、アメリカ進駐軍の放出物資を多く取り扱っていたことから「アメリカ横丁」と呼ばれたという説です。これらの説が合わさり、現在の「アメヤ横丁」という名称になったとされています。現在も、飴などの菓子類を扱う店は多く存在しています。

歴史：闇市から商店街へ

アメヤ横丁があった場所は、かつては民家や長屋が密集する下町でした。太平洋戦争中の空襲を避けるため建物疎開が行われましたが、東京大空襲によって壊滅的な被害を受けました。戦後、バラック建ての住宅や店舗が立ち並び、闇市が形成されました。アメヤ横丁もその一つで、物資不足の中で高値で売買が行われ、治安も不安定な状態が続いていました。

1946年、大規模な闇市取り締まりが行われ、その後、実業家・近藤広吉氏によって「近藤マーケット」が設立されました。出所の怪しい者を排除し、秩序あるマーケットとして運営されたことで、アメヤ横丁は徐々に正常化へ向かいました。中国からの引揚者が露店を出し始めたことも、現在のアメヤ横丁の原型を形成する上で大きな役割を果たしました。

戦後復興が進むにつれ、飴屋は減少していき、代わりに様々な業種の店が登場しました。1982年にはアメ横センタービルが完成し、商店街はさらに発展。1990年代にはスポーツ用品店やドラッグストアなどが進出し、国際色も豊かになり、近年ではアフリカ系やアジア系の店主による店舗も増加しています。

現在：多様な商品と活気あふれる空間

現在のアメヤ横丁は、食品（特に魚介類や乾物）、衣料品、雑貨、宝飾品など、多様な商品を扱う店舗が密集しています。年末には正月用品を求める人々で大変賑わい、テレビ番組などで年末の風物詩として取り上げられるほどです。値段交渉も可能なことも特徴で、活気ある雰囲気は多くの観光客を魅了しています。

築地市場と比較すると、アメヤ横丁は一般消費者向けの小売が主体で、値引き交渉が可能な点が大きく異なります。また、地域密着型ではなく、全国各地、そして海外からの観光客も多く訪れる点が特徴です。

国際化：多様な文化の共存

近年、アメヤ横丁ではアフリカ系やアジア系の人々が経営する店が増加しており、商店街の国際化が進んでいます。商店街連合会は、変化を受け入れつつ、多様な文化が共存する活気ある商店街を目指しています。

まとめ：歴史と活気を併せ持つ独特の空間

アメヤ横丁は、戦後の闇市から発展した歴史を持ち、現在も独特の活気と多様性を併せ持つ商店街です。値段交渉や多様な商品、そして国際的な雰囲気は、他の商店街にはない魅力となっています。年末の賑わいもさることながら、普段から多くの人々で賑わい、東京の代表的な観光スポットの一つとなっています。

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