二河公園

二河公園の概要

二河公園（にこうこうえん）は、広島県呉市に所在する公園で、自然の美しさと歴史的な背景を兼ね備えた場所です。公園は、二河川の中流域から下流域の境界付近に位置しており、二河峡から下って呉市街地に入るとすぐに目に入ります。交通の便も良く、広島呉道路の呉出口（呉IC）にも近いため、多くの訪問者が足を運ぶスポットとなっています。

この公園は、1916年（大正5年）に開園しました。その前の時代、この場所は旧海軍の射撃場として使用されていましたが、払い下げを受けた後、呉市によって整備され、大正天皇の御大典記念事業として公園が設立されました。特に注目すべきは、園内東側に位置する庭園で、「擇善館」や「行啓記念館」など、歴史的な建物が建っていることです。「御典橋」は、この整備の際に造られたもので、今もなお公園内の重要な遺構となっています。また、1935年（昭和10年）に開催された国防と産業大博覧会の会場の一つでもありました。

歴史的な意義

二河公園は、戦前の桜の名所として知られていましたが、現在はその名所が二河川の下流側に移っています。公園の近くには、かつての呉海軍工廠の工員寮があり、戦中には防空壕が掘られ、呉軍港空襲の際にはその近くまで空襲が及びました。そのため、公園内には防空壕の跡も見ることができます。特に1947年（昭和22年）12月7日には、昭和天皇が訪れ、その際に奉迎式が行われたことも、歴史に名を刻む出来事となっています。

さらに、二河公園は近代スポーツの盛んな場所でもありました。特に旧海軍の影響を受けて、スポーツ活動が活発に行われ、呉海軍工廠の実業団チームもここを拠点としていました。野球やバレーボールが盛んで、特に野球の試合には多くの観客が集まりました。戦後も続く、その体育の伝統は、今も地域に根付いています。

公園の施設

二河公園内およびその周辺には、様々なスポーツ施設が整っています。具体的には、呉市スポーツ会館や呉市二河野球場があり、さらに広島東洋カープの試合が行われることもあります。その他にも、屋内練習場や多目的グラウンド、サッカー場、テニス場、弓道場、さらには市営プール（ニ河プール）など、多彩な施設が利用可能です。

また、公園には数多くの碑や記念碑が存在し、歴史を感じることができる場所でもあります。これらの記念碑や銅像は、地域の歴史や文化を伝える重要な存在となっています。

アクセス

二河公園へのアクセスは、公共交通機関を利用することができます。広電バスの三条二河町長迫循環線を利用すると「プール前」バス停で下車でき、また焼山経由熊野苗代線では「上山手橋」バス停が利用可能です。さらに、JR呉駅から徒歩約20分の距離にあるため、散策がてら訪れることもできます。自動車の場合は、広島呉道路の呉IC近くに位置しているため、アクセスが容易です。

このように、二河公園は自然や歴史、スポーツが融合した魅力的な場所であり、訪れる人々に多くの楽しみと学びを提供しています。

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