二集 (増支部)

二集 (Duka-nipāta)

『二集』は、巴利語で「Duka-nipāta」と呼ばれている、パーリ仏典経蔵の増支部に属する第2集の経典です。この経典は、仏教の教えを伝える重要な文書であり、全体で19品、合計246経が含まれています。『二集』は、その内容に基づいて多様で深い教えを提供しており、信者や研究者にとって貴重な資料となっています。

構成

『二集』は、3つのセクションに分かれており、それぞれが異なるテーマに焦点を当てています。以下にその構成を示します。

初の五十

最初の50経は、様々な道徳的および倫理的な教えに関連した内容で構成されています。
1. 科刑罰品 (Kamma-karaṇa-vaggo) --- 1-10
- 行動とその結果に関する教えです。
2. 諍論品 (Adhi-karaṇa-vaggo) --- 11-21
- 論争や意見の不一致に対する対処法を示します。
3. 愚人品 (Bāla-vaggo) --- 22-32
- 愚かさを避け、知恵を求めることの重要性を強調します。
4. 等心品 (Samacitta-vaggo) --- 33-42
- 平等な心の大切さについて学びます。
5. 衆会品 (Parisa-vaggo) --- 43-52
- 集団生活の教訓が詠まれています。

第二の五十

次の50経は、より個人的な幸福や人間関係に関する教えを深めています。
6. 人品 (Puggala-vaggo) --- 53-64
- 人間の性質についての洞察が与えられます。
7. 楽品 (Sukha-vaggo) --- 65-77
- 幸せを見つけるための方法や考えについて考えます。
8. 有品 (Sanimitta-vaggo) --- 78-87
- 物事の存在意義を探求します。
9. 法品 (Dhamma-vaggo) --- 88-98
- 正しい教えの理解を促進します。
10. 愚者品 (Bāla-vaggo) --- 99-118
- 愚かさについて反省し、それを克服する手助けとなります。

第三の五十

最後の50経は、精神的な実践と修行に関する内容を扱っています。
11. 希望品 (Āsā-duppajaha-vaggo) --- 119-130
- 希望の持ち方やその影響について考察します。
12. 希求品 (Āyācana-vaggo) --- 131-141
- 願望を明確にする技法を学びます。
13. 施品 (Dāna-vaggo) --- 142-151
- 与えることの価値とその意味について論じます。
14. 覆護品 (Santhāra-vaggo) --- 152-163
- 保護の考え方を導入し、実践します。
15. 入定品 (Samāpatti-vaggo) --- 164-180
- 深い瞑想状態に入るためのガイダンスを示します。

五十所不摂の品

このセクションでは、悪しき行為や不正義についての教えが含まれています。
16. 忿品 (Kodha-peyyālaṃ) --- 181-190
- 怒りに対処するための知恵を提供します。
17. 不善品 (Akusala-peyyālaṃ) --- 191-200
- 悪行を避けるための教訓が含まれています。
18. 律品 (Vinaya-peyyālaṃ) --- 201-230
- 儀礼や遵守すべき規則について詳細に述べられています。
19. 貪品 (Rāga-peyyālaṃ) --- 231-246
- 貪欲を克服するための方法を提供します。

出版と翻訳

『二集』は、日本において『南伝大蔵経・経蔵・増支部経典1』として翻訳されており、大蔵出版から発行されています。この翻訳は、日本語を話す信者や研究者が仏教の教えにアクセスしやすくすることを目的としています。

まとめ

『二集』は、倫理、道徳、精神的成長に焦点を当てた内容で構成され、多岐にわたる教えを提供しています。仏教の実践における重要な指針として、多くの人々に愛され続けています。

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