二鯤シン砲台

二鯤鯓砲台（億載金城）

二鯤鯓砲台は、台湾台南市安平区に位置する歴史的な砲台です。1876年に完成し、その城門に掲げられた扁額から「億載金城」とも呼ばれています。この砲台は、台湾における洋式砲台の先駆けとして重要な役割を果たしました。

築造の背景

1874年に発生した牡丹社事件が、二鯤鯓砲台築造の大きな要因となりました。宮古島島民が台湾に漂着し殺害された事件をきっかけに、日本政府は台湾へ出兵。この事態を受け、清朝政府はフランスの技術を導入し、侵略を防ぐための洋式砲台の建設を決定しました。

砲台の特徴

1874年に台南に赴任した清朝の福建巡撫である沈葆楨は、フランスの技術者を招き、二鯤鯓砲台を設計させました。高さ約2mの稜堡と堀で囲まれた四角形の星型要塞であり、イギリス製のアームストロング砲など、大小さまざまな大砲が配備されました。具体的には、前装式10インチ18トン砲5門、前装式40ポンド砲4門、後装式20ポンド砲4門が設置され、要塞には洋式の軍部隊が駐屯していました。

要塞の中央部は練兵場として使用され、入口には赤レンガの城門、堀には木造の跳ね橋が設けられました。築造に使われたレンガは、約1.5km北にある安平古堡（ゼーランディア城）のものが再利用されています。四隅には陵堡があり、その間を繋ぐ城壁は土壁で作られていました。城壁の周囲には護城堀が設けられ、海水が引き込まれていました。

その後

日本統治時代に入ると、二鯤鯓砲台は軍事的な意義を失い、大砲は撤去され、城門は埋め戻されました。総督府の地図では「旧砲台」として記載され、遺跡化していました。しかし、1975年、築造100周年を記念して修復工事が行われ、レプリカの大砲が設置されるなど、公園として再整備されました。現在は中華民国文化部の国定古跡に指定されています。

アクセス

台南駅から市バス14路または19路に乗車し、億載金城バス停で下車します。所要時間は約30分です。

近隣の文化施設

徳陽艦: 二鯤鯓砲台の西隣には、2005年に退役した台湾海軍の駆逐艦DDG925が展示されています。
安平古堡（ゼーランディア城）: 約1.5km北にある、オランダ統治時代に築造された台湾最古の城です。
* 安平小砲台: 同じく安平区内にある小規模の砲台です。

まとめ

二鯤鯓砲台は、台湾の歴史における重要な出来事と技術革新を象徴する場所です。現在では公園として開放され、訪れる人々に当時の歴史を伝えています。

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