五島勉

五島 勉（ごとう べん）

五島勉は、1929年11月17日に北海道函館市に生まれ、2020年6月16日に亡くなった日本の作家およびルポライターです。
彼の名前は「ノストラダムスの大予言」で広く知られ、この作品は1973年に発表されました。この本は、社会の不安定さとメディアの影響を背景に、1999年の人類滅亡という衝撃的な内容で、特に1960年代生まれの世代に強く影響を与えました。

人物・来歴

五島は、正教徒の家庭に育ち、本名は後藤力です。学業を終えた後は法律の道に進むことを目指しましたが、在学中にポルノ小説を執筆し始め、文筆業への道を開きます。卒業後は女性週刊誌での執筆と編集を経て、大衆小説家へと転身し、1963年から1964年にかけて2作品を出版しましたが、いずれも不評でした。その後、オカルトや予言に関する記事に特化することになりました。1972年には『近親相愛』を執筆し、1973年には『ノストラダムスの大予言』を発表します。

ノストラダムスの大予言

五島は、迅速に増加していた社会不安を受けて、ノストラダムスの予言を中心にした企画を出版社に持ち込みます。この結果、『ノストラダムスの大予言』は250万部もの大ヒットを記録しました。この本は日本国内における将来への不安を助長し、一部のカルト団体やオウム真理教が信じる根拠ともなります。五島は、作品の成功を背景に自宅を建設し、印税を利用して生活を安定させました。彼の主張が社会に与えた影響は計り知れず、同書に誤訳された内容から解釈が広まり、オカルト現象を引き起こします。

著作とその影響

五島の作品は続々と発表され、『大予言』シリーズと呼ばれる一連の著作群となります。彼はオカルトや文明批評に関する多岐にわたるテーマを扱い、予言者として知られる人物を幅広く取り上げました。これらは、しばしば従来の枠を超えた特殊な主張を含み、例えば、ファティマの聖母やヨハネの黙示録に関連する内容も扱います。

彼の思想的傾向

五島の著作には、彼なりの社会観や信念が色濃く反映されています。彼は反ユダヤ主義の傾向もあり、特に日本再軍備化を警戒した内容や、女性の権利についての報告書も執筆していました。また、護憲論者としての立場を主張する一方で、彼の作品には自己中心的な視点も見られます。

晩年と影響

2000年以降も彼は著作を続け、1999年の滅亡予言が現実には起こらなかったことについて様々な言い訳を繰り返しました。彼は予想に反して自身の影響力を保持し続け、さまざまな予言関連書を通じて世の関心を引く存在であり続けました。

五島は2020年に誤嚥性肺炎で亡くなりましたが、『ノストラダムスの大予言』はいまだに多くの人々に影響を与え続けています。
彼が残した著作や影響は、現在も多くの議論や研究の対象とされています。

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