五島盛清

五島 盛清の生涯と藩主としての業績

五島盛清（ごとう もりきよ）は、江戸時代前期を生きた交代寄合の大名であり、肥前国富江領の初代藩主として知られています。彼は1628年に肥前五島福江藩の第2代藩主である五島盛利の三男として誕生しました。兄の五島盛次は3代藩主となるも健康を損ない、盛清は事実上の藩政を代行する立場にありました。

盛清は、藩政の運営において兄と意見が対立し、自己の領土分割を強く主張しました。明暦元年、兄が死去した後は甥の五島盛勝が藩主に就任しますが、幼少のため盛清が後見人となり、藩政を一手に担当しました。その間、盛清は資金面や行政面での改革に取り組むとともに、国際的な問題、特に異国船の来航に関連する問題の解決にも尽力しました。このような功績が認められ、将軍徳川家綱からも賞賛を受けました。

万治3年、盛勝が元服し、藩主としての地位を確立したため、盛清は後見人を辞任し、藩政から退きました。しかしながら、彼は福江藩との境界問題での交渉を進め、その結果、富江領3,000石の領主となり交代寄合に昇格しました。この新たな領地において、盛清は基盤作りに注力し、1661年には富江を首邑と定め、翌1662年には富江陣屋を築きました。

また、盛清は江戸にも上屋敷を設け、さらには家臣の屋敷割りや城下町の造成を行い、地域の整備を進めました。しかし、彼の政策の一環であった捕鯨権を大村藩に付与したことが、地元民との諍いを引き起こしてしまいました。それにより、長期間にわたり捕鯨権を巡る争いが続き、領民が生活困窮に陥る事態が生じました。この状況に憤慨した有川村の名主、江口甚左衛門正利は幕府に直接訴えを起こし、彼の行動は領民から尊敬を受けることになります。

寛文4年、盛清は病のため参勤交代ができない申し出をし、許可を得て江戸にとどまることになります。その後、盛清は江戸での生活を続けるようになり、1679年に52歳で亡くなりました。彼の死後、長男の盛朗が跡を継ぐこととなりました。

系譜

• - 父: 五島盛利（1591-1642）
• - 母: 梅子（七里玄通の娘）
• - 正室: 以津（土井氏養女、津軽信義の娘）
• - 側室: 森氏
• - 生母不明の子女
• - 男子: 五島盛朗

五島盛清の業績は彼の死後も八年間にわたり土地の人々に語り継がれることとなり、その功績は藩政に大きな影響を与えました。彼の施策とリーダーシップは、地域の発展に寄与し、今もなおその名は地元で尊敬されています。

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