五所川原立佞武多

五所川原立佞武多

五所川原立佞武多は、青森県五所川原市で開催される祭礼で、巨大なねぷたが特徴です。この祭りは、民俗行事「眠り流し」を起源とするねぷたの一種であり、その歴史は古く、明治時代から大正時代初期にかけて、その巨大さで知られていました。

歴史

隆盛と衰退

明治時代後期、豪商や地主たちが競って巨大なねぷたを制作し、その高さは30メートルを超えるものもあったと伝えられています。しかし、大正時代末期から昭和時代初期にかけて電線が市街地に張り巡らされるようになり、巨大なねぷたは姿を消し、小型化を余儀なくされました。さらに、戦中と戦後の二度の大火によって、貴重な設計図や写真などの資料が失われ、人々の記憶からも薄れていきました。

復活

1993年、巨大ねぷたの台座の設計図が発見されたことをきっかけに、有志によって巨大ねぷたの復元が試みられました。そして1996年、約80年の時を経て、巨大ねぷた「武者」が復活。その後、1998年には東京ドームで開催されたイベントへの出展を機に、電線の地中化や段差の解消が進められ、1999年からは毎年新作が制作されるようになりました。これにより、祭りの名称も「五所川原立佞武多」と改められました。

近年の展開

2004年には人気漫画『ドラゴンボール』の孫悟空をモチーフにしたねぷたが登場。また、2006年にはゲーム『桃太郎電鉄』のキャラクターがねぷたとして制作され、大きな話題となりました。2007年には『機動戦士ガンダム』のねぷたも登場し、祭りはさらに盛り上がりを見せました。

祭りの概要

開催期間は毎年8月4日から8月8日までで、期間前日の8月3日には五所川原花火大会が開催されます。青森のねぶた祭りと構造は基本的に同じですが、五所川原立佞武多は高さ約23メートル、重さ19トンと非常に巨大です。これらの巨大ねぷたは、常設展示施設である立佞武多の館内の製作所で製作されています。

祭りの行列は、忠孝太鼓を先頭に、毎年新作1台を含む3台の大型立佞武多のほか、町内会や高校、企業などが製作した大小のねぷたが運行されます。

運行と囃子

祭りの囃子方のかけ声は、青森の「ラッセラー」、弘前の「ヤーヤドー」に対し、五所川原では「ヤッテマレ」です。「ヤッテマレ」は津軽弁で、「やってしまえ」という意味があります。

テーマ曲

祭りのテーマ曲には、五所川原市出身の歌手、吉幾三が作詞・作曲・歌唱した『立佞武多』が用いられています。

展示施設

祭りの期間外でも立佞武多を見学できるよう、2006年には立佞武多の館が完成しました。この施設では、3基の立佞武多が常設展示されており、製作所の見学も可能です。

補足

「立佞武多」は「立倭武多」と誤って表記されることもありますが、「佞」と「倭」は異なる漢字です。

参考文献

成田敏「ねぶた・ねぷた祭り」『Consulant Vol.232 ＜特集＞青森～雪と共に生きる人の知恵～』建設コンサルタンツ協会、（2007年3月22日）

外部リンク

立佞武多の館
五所川原立佞武多インターネットライブ中継（I Love 青森 まるごと View）カメラ1
五所川原立佞武多インターネットライブ中継（I Love 青森 まるごと View）カメラ2

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